この基本チームに加え、以下のアーティストが参加しています。ホークスからはデイヴがリードギターで The Widow Maker に参加(作詞もブロック)。ニックがサックス、ダトマーがシンセで数曲、ツインクが1曲。カルバートはシンセも一部操作しているとのこと。The Aerospace Age Inferno ではイーノもバック・コーラスをやっているそうです。イーノの参加については、ルドルフが彼のソロ作に参加しているため、そのコネクションで実現したそうです。カルバートの次作 LUCK LEIF AND THE LONG SHIP では、プロデュースも担当することになります。
アルバムのハイライトになっている The Song Of The Gremlin Part One/Part Two では、リードボーカルにあのアーサー・ブラウン!(60年代サイケの重鎮、Fire というヒット曲で知られ、そのぶっとびまくりの化粧やパフォーマンスが伝説となってますね。2001年のカンタベリー・フェスティバルにてホークスに客演)、キーボードに
エイドリアン・ワグナー(あのワグナーの本当の孫。ソロ作にはカルバートが参加)を起用。この2曲はアルバムの要にあたる曲なんですが、あえて自分が歌わずにA.ブラウンを起用したのは、多大な影響を受けたアーティストとしてぜひ参加要請をしたようです。作詞もアーサーに依頼、作曲はやはりアーサーとワグナーも参加。アーサー本人はノリノリで空の悪魔グレムリンを見事に演じています。
アルバムの各曲はカルバートらしいハードなロックンロール中心。その中でA.ブラウン参加の2曲は異彩を放っています。曲間劇はいかにもヤンキー風情な戦闘機セールスマンのセールス・トークや、スターファイター志願兵の面接シーン、頼りなさげなドイツ・メカニック兵達の会話など、笑える寸劇が満載です。Ejection の導入部にあたる Ground Control To Pilot はその名の通り管制塔とパイロットの交信が演じられていますが、 Ejection とセットでホークスはステージでSEとしてこのトラックを使用しています。管制官がスタンシャル、パイロットがカルバートとのこと。ちなみに管理人が観た HAWKESTRA でもこのSEを流していましたが、観客はこの部分でさえもテープに合わせて合唱してました。劇中では、カルバートよりむしろスタンシャルがメイン・アクター、カルバートやジム・カパルディはサポート的に出演しているそうです。
またジャケに歌詞が掲載されていながらも未収である The Widow's Song は後年、カルバートの奥さんジルがボーカルをとり、ホークスのアルバム
FRIENDS & RELATIONS VOL.3 で発表されています。多才でストーリー・テラーとしても興味深いカルバートの才能が開花した記念碑的作品で、ホークスファンなら十分に楽しめるアルバムです。現在BGOレーベルからCD化されリリースされています(BGO BGOCD5)。
アルバムに先行してリリースされたシングル Ejection / Catch A Falling Starfighter については、こちらで