HAWKWIND [live] / HAWKLORDS

ホークス・テイクは77年のストーンヘンジ、あるいはオックスフォード、さらには78年シカゴと諸説ありましたが、CD版では77年9月のレスターという表記になっていました。しかし2023年にリリースされたDAYS OF THE UNDERGROUNDにレスター収録とされたトラックが含まれました。そちらと比較すると、ここに収録されたテイクは全てレスターではないことが判明。トラックによって録音状況が微妙に異なっていますので、複数箇所のテイクを集めたものと思われます。
カルバートがフロントマンでの演奏。リリース当時はCHARISMA期のライブ・テイクが少なかったので、非常に貴重なアルバムでした。特にカルバートがUnited Artists期のニック・ターナー歌唱曲を歌うのは興味深いです。
QuarkはQuark, Strangeness And Charmのタイトルを省略表記、このテイクはのちに ANTHOLOGY VOL.2やACID DAZE VOL.2、そしてアトムヘンジリマスターのP.X.R.5に収録。アトムヘンジCDのクレジットによると78年USツアーでのテイクとありますが、2023年のDAYS OF THE UNDERGROUNDに収録された際には77年9月のイプスウィッチとのことでどちらが正しいのか不明です。原曲のキッチュなロックンロールそのままなボーカルパートに続いてスローダウンしたシンセソロが新鮮。
Master Of The Universe カルバートのリードボーカルだと少しドスが減ります。間奏はギターソロ。ややコンパクトにまとまった感があります。
The FutureはWelcome The Future。バックの演奏がムーディーでチルアウトっぽい感じ。エンディングは轟音ですが。今のところ、ここだけのトラック。
Spirit of The AgeはのちにFRIENDS AND RELATIONS 2に収録されたテイク。DAYS OF THE UNDERGROUNDに収録された際には77年9月のレスターです。アルバム収録曲と同じ雰囲気ですが、サウンドボード収録のためデッドな音質ですが迫力あります。ハウスのシンセソロが良いです。終盤は不安なノイズ音に変化し、次曲に繋がります。
Sonic Attack カルバートの独唱。シンセとギターのノイズに加えてリズム隊がアクセントになっています。
HAWKLORDSテイクはスタジオ・デモテイク。その後シングルやコンピ盤に収録されることになるVallium 10はここが初出。バリウムは精神安定剤ジアゼパムのこと。興奮やてんかんの人に10mgのジアゼパムを投与する意と思われます。この曲とTime OfのドラムはHAWKLORDSを抜けたグリフィンの代わりに、ミック・スミスという人が叩いています。よってメンバーはブロック、ベインブリッジ、スインデルス、スミス。Douglasはサブタイトルにあるようにマネージャー、ダグ・スミスに捧げられたもの。当時CHARISMAとの契約も切れ、宙ぶらりんな状態になったバンドのストレスを表していると言われています。こちらのドラムは復帰したサイモン・キング。
HAWKLORDSテイクはいずれものちに各種コンピ盤に収録されました。但しTime Ofの編集は頭のキメがカットされていますが、ここのトラックが一番長く収録されています。他のアルバムは途中でフェード・アウトしてしまいます。シンセのアドリブが坦々と続いていく曲です。

HAWKWIND [live] / HAWKLORDS

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