Analog Disc
CHARISMA - CDS 4008 (1977)
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シングルBACK ON THE STREETSで明らかになったように、バンドの人事に異変が起きました。ニック、パウエル、ルドルフの脱退、この作品は新ベーシスト、エイドリアン・ショウが参加。もともと彼のいたバンドMAGIC MUSCLEはホークスの前座を務めていたこともあったようです。カルバートは「ルドルフとパウエルはファンキー・ディスコを提案したので、ぞっとしてクビにした」とコメントし、ブロックはインナー・スリーブで「去年は最悪の年、これから元に戻す」と力強く宣言。前作もセールスは良かったのですが、その出来に不満だったことが判明。そういった経緯か、今回は全体にソリッド感が復活し、カルバートのポップ・テイストに支配されながらも反復フレーズで突き進むホークスの力強さが復活。オープニングのSpirit Of The AgeやHassan I Sahba等の定番曲も誕生。HALL OF THE MOUNTAIN GRILL以来の定石通り、A面はほぼ繋がって流れるような構成、B面は小曲が入るというパターンです。注目のA.ショウのベースはホークスにしては洗練された感じもありますが、独自のドライブ感があってそれなりにマッチ。全体に流麗でソフィスケートされた印象があり、70年代中盤以降の時代の空気が反映されているのかもしれません。新生ホークスはスペーシーさは残しつつしなやかさを備えた進化をしたと思います。アルバムは77年2月に録音され、このラインナップでのツアーは77年3、4月に実施、その後6月にアルバムがリリースされ、それに伴い同月から再びツアーが開始されます。チャートは30位とそこそこ健闘。
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この頃UKではパンク・ロックが興隆しますが、THE CLASHのジョー・ストラマーは最も影響をうけたバンドとして、ホークスを挙げました。「慣れ親しんだホークウィンドのような音楽をやりたかった。出来る限界内でそれをやったんだよ。」と語っています。またTHE SEX PISTOLSのジョニー・ロットンがホークスの楽屋を訪ねてきたことがあったそうです。ブロック曰く「やつはドアをノックして”ジョニーだけど、話をしたいので入っていいかい?”と言った。楽屋にはカルバートと自分がいた。彼は部屋に入り、握手をしながらこう言ったんだ"気を悪くされたら、動揺してしまうとこだったよ"。嬉しかったよ、我々は大勢のこういう連中に影響を与えていたんだ。」このようにホークスの影響はパンクにも及んでいました。
バンドは9、10月にもヨーロッパを含む大規模なツアーを実施。12月にブロックはカルバートと共にサイド・ユニットSONIC ASSASSINSを組織し1度だけギグを行います。また翌年3月のUSツアーの真最中、ハウスがデビッド・ボウイのツアーに参加するためバンドを辞め、急遽SONIC ASSASSINSのポール・ヘイルスが代役を務めます。USツアー終了日、度重なる大規模ツアーに疲弊したバンドは、解散宣言を行います。
その後ブロックはバンド名を新たにHAWKLORDSとし、カルバートと共に活動を開始します。
・EXILESさんのCDレビュー
・ATOMHENGEリマスター盤のレビュー
・当時のツアーパンフレット
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2018/01/08 update