ROBERT CALVERT
CAPTAIN LOCKHEED AND THE STARFIGHTERS
UA UAG 29507 (1974)
70年代初頭からホークスに関わり、作詞、ステージでの朗読、コンセプトメーカーとして SPACE RITUAL を頂点とする初期ホークスの屋台骨を支え、また大ヒット曲 Silver Machine の作詞も担当しました。ムアコックに協力を要請したのも彼。74年にはホークスから一時脱退、この1stソロ・アルバムを完成させます。翌年には2ndアルバムのリリース、ホークスへの復帰。フロントマンとして70年代中期のホークスの顔となり、78年の HAWKLORDS まで参加。その後はソロ活動に入り数枚のアルバムをリリース。音楽だけでなく、詩人、パフォーマーとしても多彩な活動を行っていました。時折、ホークスのステージにゲスト参加。しかし88年8月、43歳にして他界。デイヴのインタビューやその他のアーティストも語っていますが、芸術家らしくかなりぶっ飛んだ性格の一面もあったようです。プライベートでは3度の結婚、4人の子供がいたようです。
見開きジャケ。表のF104はエンボス加工、表題はシルバー・プリント。ジャケ内側にはブックレット。インナースリーブはジャーマン・エアフォースのマーク。このマークはレーベル面にも転用されています。というように、装丁も凝ったカルバートらしいもの。
ジャケットを開いたところ。カルバートのポートレイト、ブックレットが挟まれており歌詞及び寸劇のすべての台本が掲載されています。
74年リリースの入魂の1stソロ。ホークスではボーカルというよりは、朗読での参加が中心だったので、この作品が初めてボーカリストとしての本領を出したもの。このアルバムのリリース前年に CAPTAIN LOCKHEED AND THE STARFIGHTERS 名義でシングル EJECTION を先行リリースしており、その収録曲もテイクを変えて収められています。Ejection と共にのちにホークスがレパートリーとして取り上げるようになる The Right Stuff なども収録されています。
コンセプトは60年代にドイツ空軍の戦闘機F104G(USAのロッキード社製)が、その欠陥ゆえに大量のパイロット死者を出したという設定をもとに、ブラックユーモアたっぷりにシアトリカルに仕立て上げた叙事詩。
モンティ・パイソンのスケッチを意識したといわれており、本人はもちろん、ボンゾ・ドッグのヴィヴィアン・スタンシャル(マイク・オールドフィールドのチューブラ・ベルズでは楽器紹介アナウンスをしてましたね。ボンゾはモンティ・パイソンとも関係がありました)が、アクターとなり曲間劇を行います。スタンシャルとカルバートは近所に住んでいて友人関係だったそうです。
豪華な参加メンバーについては、クレジットがありますが、どの曲にどういう形で加わっているか、長いこと分かりませんでした。あるファンが当時、カルバート本人に手紙で質問をし、それに答えたカルバートの手紙のコピーを入手、詳細が判明。ここで紹介します。
まず基本チームは、ギターにポール・ルドルフ、ベースにレミー、ドラムスはサイモン・キング、シンセにイーノ!(クレジットではイーノの表記が見当たりませんが、 Brian Peter George St John Le Baptiste De La Salle というのが本名フルネームとのこと!)という布陣。レミー、イーノがフル参加だったことが判明!