THE SAGA OF HAWKWIND
by Carol Clerk (2004) Omnibus Press
MerodyMaker誌の編集スタッフだったキャロル・クラークが執筆。実に500ページ台のぶ厚いハードカバーの書籍で、大変読み応えがあります。MerodyMakerをはじめとした音楽誌の引用や各種インタビューをベースにバンドのヒストリーを鮮明に描き出しています。手法としては数ヶ月前にリリースされた SONIC ASSASSINS と同様で、ともに甲乙つけがたいホークウィンド資料です。バンド35周年の2004年という年に、そのブリティッシュ・ロック史に残した足跡を辿るプロジェクトが複数進行したということは、ホークウィンドに対するさめやらぬ関心がいまだ多いという背景の現れだと思います。90年代以降、アンダーグラウンド的活動になりつつマイナーレーベルからのリリース、複雑なメンバーチェンジ、デイヴとニックの確執など、あまり表立って報道されていないことも綿密に取材し、正確に伝えるようとする姿勢が感じられます。この本では多くの過去や現在のメンバーに公平な立場でホークウィンド/デイヴ・ブロックについての意見も掲載しています。