ニックの爆笑話は続きます。当時カエルの衣装を着てステージに上がっていたのですが、雨の日にそのスーツでステージに走り出たが雨のため滑りだし、ステージ前に落ちそうに。ステイシアがくい止めてくれたので助かったが、マイクに激しく激突。そのマイク、サウンドチェック中だったそうです。

ドラッグの教祖ティモシー・リアリーが監獄にいるとき、彼と電話で繋ぎギグ中にPAからその声を流したが、音が悪く何を言っているか観客には解らなかった。ニックは彼に面会に行ったこともあったそうです。
レミー、ブロック、キング
ニックがバンドを辞めた理由はバンドに飽きたこと。何度もバンドにディスカッションを提案し、事態を打開しようと努力していたそう。この頃はバンドの中もうまくいっておらず、ルドルフとアランはアンチ・ニック派であったとも。結果としてニックも辞め、ファンキーサウンドを導入しようとしたルドルフとパウエルもクビに。

カルバートがバンドに愛想をつかされ、パリで置き去りにされた時のこと。結局フランスのリリース元のレコード会社に渡航費をもらいイギリスに戻ったそう。
また自分からパリに残りたいといい、残ったはいいが飲みまくり、滞在費がなくなり帰れなくなったこともあったそう。持っていたトランペットを1日だけ、地元の大同芸人のギターと交換し、それで道端で歌って稼いだことも。それはそれで楽しかったと本人言ってます。

この本の最後は以下の3人の言葉で締めくくられています。
ニック「バンドを離れていった全ての者は、結局デイブ・ブロックと意見が合わなかったからなんだ。」
カルバート「ホークウィンドは支配されている。ブロックは誰にでも権力を振るんだ。」
デイヴ「オレが実際必要としているのは全ての楽器をプレイする自分の5人のクローンなんだ。それなら本当にグッドだ。絶対にいいはずだよ!」
ということで、ホークスはブロックのバンドであるということが強調されています。デイヴはこのように発言していますが、やや極論めいた発言のような気もします。ソロ作はそのようにしていますが、ホークスでは確かに独裁者でありながらもバンド形態というスタイルは捨て切れないのではないでしょうか。