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2000.01.16. Upload.

"COMPLETE '79"
COLLECTOR SERIES VOL 1

1999

complete '79

CD:HAWKWIND RECORDS - VOICEPRINT/HAWKVP4CD

DISC 1
1.Shot Down In The Night / 2.Motorway City
3.Spirit Of The Age / 4.Urban Guerilla
5.Who's Gonna Win The War / 6.World Of Tiers

DISC 2
1.New Jerusalem / 2.Lighthouse
3.Brainstorm / 4.Satellite
5.PXR 5 / 6.Master Of The Universe
7.Silver Machine / 8.Levitation



Winter Tour 1979
Place Unknown

Line-Up
Dave Brock (Vocals, Guitar, Keyboards)
Huh Lloyd Langton (Guitar)
Harvey Bainbridge (Bass)
Tim Blake (Keyboards, Vocals)
Simon King (Drums)



'99 年の暮れに Voiceprint レ〜ベルよりコレクタ〜ズシリ〜ズの Vol.1 としてリリ〜スされた 2 枚組ライブ盤。タイトル通り '79 年、「Live Seventy Nine」 と同じ U.K. ウィンタ〜ツア〜の録音です。タイトルの 「コンプリ〜ト」 というのは 「Live Seventy Nine」 に対してこちらはワンステ〜ジ完全収録しているよ、という意味なのでしょうか。後述する様にちょっと怪しげな編集がされていますが。

2 枚組なので当然 「Live Seventy Nine」 より曲数は多いのですが、残念ながら音質は悪いです。テ〜プがヨレた様な音質で、全体的にフェイザ〜がかかったみたいになっています。一応 PA の卓から録ったみたいなんですがマルチ録音ではなく、シンセのパンニング以外はほとんどモノラル定位なので PA スピ〜カ〜に行く信号をそのまま 2 チャンネルに録ったのではないでしょうか。尚、何曲かは曲の最中にどう聴いても不自然なテ〜プ編集がされていますので、ツア〜中に録音したいくつかの公演のテ〜プの状態のいい部分をつなぎ合わせた可能性もあります。しかし曲間ならいざ知らず曲の真っ最中に他の演奏テイクをつなぐなんてフツ〜しないと思うんですが・・・よっぽどヒドかったのかな、テ〜プの保存状態。



演奏は 「Live Seventy Nine」 と同様に 1.「Shot Down In The Night」 でスタ〜ト。元気があってよろしい。アレンジも 「Live Seventy Nine」 (1) にかなり近いです。一方次の 2.「Motorway City」 は 「Live Seventy Nine」 (2) とはかなり印象が違いますね。イントロからワンコ〜ラス目までのなんかこうフワ〜っと包み込むような雰囲気が新鮮です。サイモン・キングのドラムがヨレてるだけというハナシもありますが。ブレイク先生のピッチベンド使いまくりシンセソロのブチ切れ方がグレ〜ト。続く 3.「Spirit Of The Age」 、シンセのミックスがやけにデカいですがそれに負けじとブロック様のヴォ〜カルがパワフルでナイス。そして 4.「Urban Guerilla」 もとにかくブロック様のヴォ〜カルがパワフルですね。なんでもこのツア〜、レコ〜ド会社のサポ〜トの無い完全なセルフプロデュ〜スのツア〜にもかかわらず大盛況だったそうで、その自信の表れなんでしょうか。

ここで一息ついてスロ〜バラ〜ドの 5.「Who's Gonna Win The War」 。スロ〜バラ〜ドとはいっても電子音バリバリだはキングのドラムはヤケクソだはで破壊力バツグンですね。キングさん、前年はブロック様が "Hawklords" なんぞをやっていたおかげでツア〜もできずほとんど飲んだくれていたそうで・・・ストレス発散ですか。尚、イントロからヴォ〜カルに入る部分で冒頭に述べたテ〜プ編集臭い部分があります。続く 6.「World Of Tiers」 はキングがドラムを叩いているバ〜ジョンを初めて聴いたのですが、「Levitation」 (4) などのジンジャ〜・ベイカ〜御大のドラムと比べて随分とベタな 8 ビ〜ト叩いてますね。ほとんど別の曲みたいです。コレじゃベイカ〜御大は満足できないわな・・・って別にキングをバカにしてるワケじゃありませんが。この曲も途中でテ〜プ編集臭い部分がありますね。また、ホ〜クスのアルバムでは恒例のインデックスエラ〜がありまして、「World Of Tiers」 の途中でインデックスが 6 曲目に切り替わります。まぁたインデックスエラ〜か〜、ちったぁマジメにやって下さいよ Voiceprint 様。まぁ 「Glastonbury 1990」 に比べりゃ曲名が合っているだけまだマシですが。尚この 2 曲のスタジオバ〜ジョンは先程も触れた '81 年リリ〜スの 「Levitation」 に収録されますが、'79 年のツア〜でも演ってたのはココで初めて知りました。

ここからは DISC 2 となります。まずはブレイク先生がホ〜クス以前にやっていたバンド "Crystal Machine" の 2nd 「New Jerusalem」 に収録されていたタイトル曲、1.「New Jerusalem」 です。この曲、当時ホ〜クスのステ〜ジで演っていたのはいろんなブ〜トの収録曲を見て知ってはいたんですが、実際に聴くのは初めてなので嬉しかったです。オリジナルはアルバム B 面全てを使った大曲だったのですがここでは 10 分程度に短縮されていますね。まぁゼ〜タクは言うまい。シンセベ〜スのシ〜ケンスとキ〜ボ〜ド主体の曲でヴォ〜カルもブレイク先生。完全なワンマン演奏ですね。あ、ひょっとしたらブロック様がキ〜ボ〜ドいじってるかも知れませんが。尚、この曲の 2 度目のシンセソロの途中でまたしてもテ〜プ編集臭い部分があります。音質がガラッと変わるので一発でバレバレです。しかも一拍先走ってテ〜プをつないだりしてます。う〜ん努力は認めますケドもう少し上手くつなげられなかったんでしょうか。続く 2.「Lighthouse」 も同じく "Crystal Machine" の 2nd からの曲。この曲は 「Live Seventy Nine」 (5) にも収録されていましたがこちらではヴォ〜カルパ〜トがワンコ〜ラス分増えており、ト〜タルの演奏時間も 4 分程長くなっています。

一息ついた後、ディレイをかけたギタ〜のピッキングスクラッチとシンセのノイズに導かれて 3.「Brainstorm」 がスタ〜ト。ギンギンですね、コレは。残念ながらこの曲も途中 5 分 10 秒辺りに編集臭い部分がありますが。続く 4.「Satellite」 は聞き慣れない曲名ですが、'83 年リリ〜スのアルバム 「Church Of Hawkwind」 (4) に収録されている 「The Phenomenon Of Luminosity」 と同じ曲です。また、'80 年頃からリリ〜スされ始めたホ〜クスのテ〜プ音源シリ〜ズ 「Weird Tapes」 の一発目 「Weird 101」 にも収録されており、そちらでは曲名が本アルバムと同じ 「Satellite」 となっています。シ〜ケンスのシンセベ〜スとシンセリフ、シンセソロのみの曲。イントロの通信ヴォイスもちゃんとやっています (テ〜プか?) 。この頃から既に細かいアレンジまで完成していたんですね。尚、前述の 「Weird Tapes」 のほとんどは今後コレクタ〜ズシリ〜ズとして Voiceprint からリリ〜スが予定されています。

そしてまたいきなりの編集で 5.「PXR 5」 に切り替わります。アルバム 「P.X.R. 5」 (8) に収録のスタジオ (?) バ〜ジョンとはかなり印象が違いますね。ギタ〜ソロの前半はオリジナル通りブロック様みたいですが後半はけたたましいラントンのソロに切り替わります。音量デカ過ぎますって、ラントンさん・・・あ、PA が悪いのか。そして間髪置かずに 6.「Masters Of The Univers」 になだれ込みますが、またまたインデックスエラ〜が。「Masters Of The Univers」 の途中でインデックスが 6 曲目に切り替わります。まぁアタマ出しとかするんでなければ問題は無いんですが、それにしてもなぁ・・・。ともあれ演奏はイケイケライブテイクでナイスですね。この曲の後でブロック様の 「Thank you, goodnight ! Thank you very much !」 の MC が入り、一旦ステ〜ジは終了。

アンコ〜ル一曲目は 7.「Silver Machine」 です。ベインブリッジがアタマのベ〜スをハズしてるのがご愛嬌。この曲、「Live Seventy Nine」 ではワンコ〜ラス目の途中でドッカ〜ンと自爆したので恐る恐る聴いていたんですが、こちらではちゃんと収録されていますね。そしてそのままメドレ〜で 8.「Levitation」 が演奏されます。メドレ〜演奏がたたったのかココでもインデックスエラ〜があり、「Levitation」 の間奏のギタ〜リフの部分で 8 曲目に切り替わりますが・・・まぁ、いいか。スタジオバ〜ジョンは '81 年リリ〜スの 「Levitation」 (1) に収録されることになりますが、エンディング以外のアレンジはほとんど完成しています。この曲、このツア〜では必ずアンコ〜ルで演奏されたとのことですが、毎回こんな風にメドレ〜演奏されていたのなら 「Live Seventy Nine」 で 「Silver Machine」 が最後まで収録されなかったのも頷けますね。まぁ 「Live Seventy Nine」 ではそれ以外にも理由があったみたいですが。そしてこの曲でライブは全て終了、最後にブロック様の 「See you again soon !」 と他のメンバ〜の短い挨拶が入り、ディスクもストップ。

ジャケットは 16 ペ〜ジのブックレットになっており、'79 年当時のツア〜パンフが再現されています。HAWKWIND DAZE 管理人 様によりますとパンフのほとんどのペ〜ジが再現されているとのことで、ウレシイ限りですね。ジャケ写はパンフの表紙をそのまんま使用しています。内容はメンバ〜各人の経歴やメンバ〜自身によるメッセ〜ジ、当時のグル〜プショットなどです。ベインブリッジのコ〜ナ〜に自身のコメントとして '70 年代初頭に学校に勤務していたみたいなコトが書かれていますがホントか?大丈夫か?英国の学校・・・って失礼ですね。スミマセン。あと、グル〜プショットのブロック様の服装がブロック様のソロアルバム 「Earthed To The Ground」 とシングル 「Social Alliance / Raping Robots In The Street」 のジャケ画と全く同じなのには笑いました。だらしなくはみ出した T シャツの 「In Search Of Space」 の柄はソロアルバム等のジャケ画では省略されていますが、めんど臭かったのかな、描くの。白衣の胸ポケットのバンダナはちゃんと描いてあるんですケドね・・・って何のコトやらさっぱりですね、もう止めます。

音質は良くない・・・というよりはほとんど劣悪ですが、「Live Seventy Nine」 では省略されていた曲がたくさん入っているのでファンとしては迷わず 「買い」 ではないでしょうか。ただし最近のホ〜クスのアルバムはみんなそうなのですが、入荷状況は良くないです。ワタシの知る限りでは新宿のディスクユニオンに一回だけ、しかも数枚しか入荷せず、その後は再入荷していないみたいですね。Voiceprint って弱小レ〜ベルの割に (失礼 ! ) ディストリビュ〜トはしっかりしてるという印象を持っていたんですが・・・。まぁ今後どうなるかは解りませんが、とにかく運良く発見したら迷わず GET しておきましょう。

最後に残念なニュ〜ス。このコレクタ〜ズシリ〜ズに付随してリリ〜スが予定されていた 「Greasy Truckers」 が発売中止になったそうです。「Greasy Truckers」 ってのは '72 年にリリ〜スされたオムニバスライブアルバムで、ホ〜クスの 「Master Of The Universe」 と 「Born To Go」 が収録されていますが現在は廃盤、アナログ盤には法外なプレミアが付き、その後ブ〜ト CD がリリ〜スされたものの現在では入手困難な激レアアイテムです。中止の理由は EMI がまだ版権を持っており、Voiceprint に対し 「こんなモン再発したら訴えるぞ」 とオドシを入れてきたためとか。意外とケツの穴が小さいですね〜EMI 様。っつうかだったらアンタのトコで出せよ、おい。まぁ 「Greasy Truckers」 に収録されていたホ〜クスの曲はどちらも EMI リマスタ〜シリ〜ズの 「Space Ritual」 にボ〜ナストラックとして収録されているのですが。あ。だからなのか、リリ〜ス差し止め。でもアレ、もう廃盤だと思うんですケド。

・・・しかし、大丈夫なのか? こんなありさまでシリ〜ズ最後までリリ〜ス可能なのか? そういえばホ〜クスのオフィシャルサイトにもこのシリ〜ズのリリ〜スについては一切触れられていないし Voiceprint 自身のサイトにもこのシリ〜ズの告知が無いし、ひょっとしてブ〜トまがいのリリ〜スなんですか? マサカとは思いますが途中でシリ〜ズ打ち切りだけはしないで下さいませね>Voiceprint 様。



ここから先はそのスジのヒト以外は読んで頂かなくても結構です。ブレイク先生の機材についてちょっと。最近 CASTLE から '91 年にリリ〜スされた 「Anthology」 という CD 3 枚組ボックスセットや上でも触れたブレイク先生の "Crystal Machine" の 2nd の CD を入手したんですが、それらのブックレットにブレイク先生のシンセの写真や機材のクレジットが載っていましたので、それらを元にホ〜クスでのブレイク先生の機材を推定してみました。まず正面上が特製ケ〜スに収められた 2 台の SYNTHI-A とその下に YAMAHA CS-80 、左手には ROLAND SYSTEM-100 の Model-101 と Model-102 、左斜め前に同じく SYSTEM-100 の Model-104 アナログシ〜ケンサ〜、右手は KORG PE-2000 アンサンブルキ〜ボ〜ド (コレはちょっと自信ナシ) とその上に置かれた Minimoog 、以上ではないかと思われます。「New Jerusalem」 などで使用されているシ〜ケンスは SYSTEM-100 だったんですね。頻繁に使われるストリングスの音は PE-2000 ですか。このキ〜ボ〜ド、ソリ〜ナなどで使用されている BBD によるコ〜ラスなどという姑息な手段を用いず、一音当たり 3 つのオシレ〜タ〜を使用してリッチなコ〜ラス効果を出すという直球勝負的な手法を採っていたらしいですね。まぁこのテの力業は KORG の得意としていた分野ではありますが。そして長いコト疑問に思っていた 「Motorway City」 のシンセソロ、Minimoog のピッチベンドにしちゃレンジが広すぎるしなぁ、レンジ拡張の改造か?とかって思っていたんですが、CS-80 のリボンコントロ〜ラ〜だったんですね。そういや所々ポリフォニックっぽくなるし。これでまたマストアイテムが増えたなぁ、ファンとしては。SYSTEM-100 のフルセット、新大久保の某楽器店で売りに出てるんだよなぁ・・・欲しいなぁ・・・って置く場所無いんですが。


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