Compact Disc
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UNITED ARTISTS - UP35381 (1972)
ジャケット付きでリリースされました。
72年2月13日のラウンドハウスでのライブ・テイクを元にボーカルの差換え、オーバーダブを施して同年6月リリース。本国ではヒット・チャートを爆走し3位まで登り詰めました。日本でも民放AM局洋楽チャートでベスト10入りを果たしました。この年New Musical Express誌の年間シングル部門でベストシングルに選ばれました。
その後も本国UKでは78年、83年にもリバイバル・ヒットするというUKロック史に残る曲。リバイバル・ヒットに伴い、何度かジャケを変えて再発を続けていくシングルとなりました。
このテイクでの演奏メンバーはデイヴ・ブロック(g)、ニック・ターナー(sax/fl)、ディクミク(ag)、デル・ダトマー(syn)、レミー(b/vo)に新加入のサイモン・キング(dr)。テリー・オリスがLSDでドロップアウトしたため、キングが正式メンバーになっています。
作曲はブロック(クレジットには変名でS.MacManusと表記されています)。作詞はカルバート。
当時マスコミ嫌いだとか、アルバムが一つの作品だとか、ヒットチャートには全く興味がないと答えていたそうですが、それに反してのポップでヒット狙いなリリースは物議を呼んだそうです。ターナーは当時のインタビューで大量のステージセット、機材の盗難(72年5月)にあってバンドが財政的な危機に陥っていたことや、レコード会社との契約内容等を有利な条件にするとかの理由で、計算してこのシングルを出したと話していました。
いずれにしても、このヒットのおかげでバンドは実質的な力をつけ、のちのSPACE RITUALへ繋がる成功へと邁進します。
この曲は当時、シングル専用曲でアルバムには未収録でした。日本ではアルバム「ドレミファソラシドのオープニングに特別収録されます。
加工前のライブ・テイクは、以前まではGLASTONBURY FAYREでしか聴くことができませんでした。実に35年後の2007年にEMIがリリースしたGREASY TRUCKERS PARTY完全版に収録されたことで一般的に聴けるようになりました。元テイクでは作詞をしたカルバートがリードボーカルをとっていますが、シングルではレミーに差し換えられています。カルバートのボーカルはヨレヨレでしたので、骨太なレミーのボーカルに入れ替えたことで力強さが生まれています。一応はスタジオで録り直しをしたものの、カルバート本人もその他のメンバーのボーカルもしっくりせず、レミーが歌ったらピッタリはまったとのこと。カルバートは納得してなかったみたいですが。
メロディアスなロックンロールに電子音、宇宙船が銀河を進むようなホワイトノイズが全編に流れつづけ、これぞ新世代のスペイシーなロックです!という、とても分かりやすい作り。
ヒットを受けてプロモーション・フィルムが制作されました。ホークスのライブ演奏の映像を編集したもので、演奏と曲は同期していませんが、72年当時の動くホークスが観れる唯一の映像です。ステイシアのパフォーマンスも映っている貴重な映像。公共性を踏まえて着衣のシーンのみです。
なおこのオリジナル版以降、この後の再発アナログ・シングルでは全てリミックス版となったようです。違いはわずかですが、多少各楽器の音が明瞭になりました。
B面SEVEN BY SEVENもやはりアルバム未収のスタジオ・テイク。ブロックのリード・ボーカルと中間部はカルバートの朗読が入っています。ステージでも取り上げられておりアルバム『SPACE RITUAL』でライブ演奏が聴けます。このSEVEN BY SEVENも2ヴァージョンあって、ミックス違いが存在します。当時のリリースの時点ですでに2バージョンあったという話もあります。別リミックスは再発盤シングルで聴くことができますが、やはり全体に明瞭な感じがするという程度の違いです。
・元テイクが収録された72年2月のラウンドハウスのライブアルバムGREASY TRUCKERS PARTY
・このシングルの当時の日本盤「シルバー・マシーン」
・トーヤ&R.フリップのカバー動画
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2019/4/14 update