ホークウィンド・デイズ・コラム
2025年1月2日
昨年リリースされたソルスティスのアルバム(CD+BD)。以前は数年に1回リリースするという超寡作バンドだったのですが、近年は活動が活発化しており、アルバムリリースの頻度も上がり、ホークスのサポートアクトなどもしています。タイトルの通り英『クロップレディ・フェスティバル」に25年ぶりに出演した際のライブ録音。このフェスは元々フェアポート・コンヴェンションが始めたものでクロップレディ村で毎年開催しています。ソルスティスは遡ること25年前の98年に参加したことがあり、その際の演奏をスタジオで録り直した『クロップレディ・セット』というアルバムをかつてリリースしています。2007年にリリースしたThe Definitive Editionでは98年のステージをDVDで観ることができます。当時は元ジェスロ・タルのクライヴ・バンカー(Dr)が在籍していました。今作では、リーダーのアンディ・グラス(G/Vo)、ジェニー・ニューマン(Vi)、ロブ・フィリップス(B)、スティーヴン・マクダニエルズ(Key)の3名は25年前と変わらず。それに今やバンドの顔とも言えるボーカルのジェス・ホーランド、ドラムのピーター・ヘムスレイ、それに2人のバック・ボーカルという大編成。
ホーランドのパワフルな歌唱はバンドに新たな魅力を加え、彼女が加入してから2年毎にアルバムリリースという、かつてでは考えられない程精力的な活動になっています。音質は普通に良いです。ライブでも今はこれくらいの音質で仕上がるはずなんですが、ホークスの音質の悪さは何なんでしょうか、、
近年作『SIA』(2020)より2曲、『LIGHT UP』(2022)より2曲、2nd『NEW LIFE』(1993)より2曲、3rd『CIRCLES』(1997)より1曲、新曲1曲という構成。クライヴ・バンカーがサプライズゲストとしてMorning Lightでドラムを叩いています。
現在のバンドの結束力の高さやコンビネーションの良さが十分に発揮された演奏で、BDに収録の映像でもその魅力が発揮されています。変拍子を多用してるにもかかわらず、ドライブ感と伸びやかさがこのバンドの身上であり、厚いコーラスによってリッチな響きが加味されています。
今回グラスとホーランドのデュエットもあり。
BDにはライブ本編映像に加えドキュメンタリー番組「NEW LIGHT」が収録されています。これが見もので、バンド全員へのインタビュー、特にグラスへのインタビューはとても興味深く、その生い立ちやマリリオンの前進バンドの話などもしています。さらにソルスティスのファンで以前しミックスを担当したこともあるスティーヴン・ウィルソンもインタビューで登場、加えてビッグ・ビッグ・トレインのグレゴリー・スポートンもインタビューに応えています。この二人のコメントは荒編集の別トラックも収録。あと、PROG誌のジェリー・エゥイングも出演、英プログ界隈でのソルスティスの存在の大きさを再認識できるものとなっています。
2025/1/2 update