ホークウィンド・デイズ・コラム
2021年5月30日
80年代初頭にデビューしたネオプログバンド、当時ポンプロックと称されたマリリオンをはじめとする一群にあったIQ。現在もマリリオンやペンドラゴンなどと同様に活動。私的にはメロディセンスやアレンジ、いまだに長尺曲を連発する姿勢、そして現メンバーは紆余曲折ありながらデビュー時の5名のち4名が在籍という仲の良さ、なども評価しています。そのIQも40周年を迎えています。
今回マーキーからデビュー作をはじめとする初期作品と中期の傑作がリマスターリリースされました。来日の可能性を探ってるのかと勘ぐりますが、どうなんでしょう。しかもこの組み合わせ、過去を振り返るには初期に偏っており、逆に何で「ダーク・マター」(2004年にリアルタイムでマーキー盤が発売されています)が含まれているのか、ちょっと意図が分かりかねます。
どの作品も所有していましたが、お布施のつもり(というか例によって国内盤コンプリート習癖)で購入しライナーを読みましたが、特にこの選出意図は触れていませんでした。よくよく考えると、主要作は過去マーキーを中心に国内盤が発売されてきましたが、肝心の事実上のデビューアルバム「テイルズ・フロム・ラッシュ・アティック」、いまだに多くの収録曲がステージで演奏される「ザ・ウェイク」は国内盤が発売されたことはありませんでした。この2枚は新人バンドとは思えない構成力で国内盤が出ていてもおかしくないのですが、今回本邦初発売になります。実際手持ちの国内盤を調べたら、国内盤初発売は87年の「ノムザモ」でした。看板ボーカリストのピーター・ニコルズが脱退、ポップ路線に寄った時期の作品。その後の主流作品は国内発売されてきました。
その他にもコンピレーション、ライブなど国内リリースは歯抜け多いです。大手EMIと契約したマリリオンに比べると扱いが低く知名度は今一つですが、昨今プログレ感の薄れてきているマリリオンより私にはしっくりきます。いずれもジェネシスの大きな影響を受けていますが、その出自を隠すことなく、いまだに奇数拍子攻めと英国らしいウェットで美しいメロディは衰え知らず。
今回のリマスターは国内盤用に行われたようで、原盤の音質とは若干異なります。角が取れたマイルドな雰囲気ですが、音の厚み、ふくよかなニュアンスが強調されている感じです。
2021/5/30 update