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2000.02.01. Upload.

"WHITE ZONE - PSYCHEDELIC WARRIORS"
1995

white zone - psychedelic warriors

CD:GRIFFIN MUSIC/GCD-376-2

1.Am I Fooling / 2.Frenzzy
3.Pipe Dreams / 4.Heart Attack
5.Time And Space / 6.The White Zone
7.In Search Of Shangrila
8.Bay Of Bengal / 9.Moonbeam
10.Window Pane / 11.Love In Space



Line-Up

Dave Brock (Vocals, Guitar, Keyboards, Synth, Percussion)
Alan Davy (Bass, Keys, Synth,Percussion)
Richard Chadwick (Drums, Synth)
Lord Charles (Sampler, OSCI, Production Track2 - 9)
Lysergic Duke (E.M.S. Synth, Production Track10 - 11)
Dr. Techinical (Mixing Desk, Production Track1 - 8)



'95 年 2 月に THE EMERGENCY BROADCAST SYSTEM (以後 EBS : ホ〜クス自ら運営するディストリビュ〜タ〜) よりリリ〜スされたアルバムの GRIFFIN 盤です。ちょっと扱いに困るというか (後述) 毛色の変わったアルバムで、ホ〜クスが '94 年頃までのトリオ編成のままバンド名を一時的に "Psychedelic Warriors" と変更した上、 Lord Charls 、Lysergic Duke なる人物 2 名をゲストに迎えての録音とのこと。本アルバムのリリ〜ス後の '95 年 7 月に同じく EBS からリリ〜スされているブロック様のソロアルバム 「Strange Trips And Pipe Dream」 から 2 曲と、"Psychedelic Warriors" のスタジオ録音の新曲が収録されています。所々にナレ〜ションや声の SE が入りますが、基本的に全曲インストです。

EBS のプレスリリ〜スによると本アルバムは英国ならびにヨ〜ロッパのテクノ・ダンスシ〜ンに対抗するためにホ〜クスがサイケデリック戦士 (バンド名ですね) となって作られたのだとか。別にそんなのと対抗する必要も無いと思うんですが。プレスリリ〜スには昨今のあまりにも安易なサンプリング文化に異議を唱えるんだみたいなことも書かれていますけど、そんなのも別にほっとけばいいんですって、ホ〜クス様。まぁ老舗の意地って奴を見せておきたかったんでしょうか、ロック界のシンセ導入第一期生としては。

本アルバムのメンツは冒頭に述べた通り本アルバム録音のための一時的なものですので MUSICNAUTS ペ〜ジには含めず、上に直接ラインナップを記しておきました。ゲストの Lysergic Duke ってヒトは 「Space Bandits」 (5) の 「Realms」 にも 「オ〜ケストラ」 とのクレジットがありましたが何者かは不明です。ここでは EMS のシンセ及びプロダクションとしてクレジットされていますね。また、ゲスト 2 名の他にミキシングデスクやプロダクションとして Dr. Techinical なる人物がクレジットされていますが、「Space Bandits」 の国内盤の解説によるとこの人物はブロック様の変名とのことです。



1.「Am I Fooling」 は 1 分半程度の短いイントロダクション。ブロック様、ディヴィ、チャドウィック 3 人の共作となっています。いにしえのジャ〜マンロック、コズミックジョ〜カ〜ズのセッションアルバムを彷彿とさせる曲ですね。サスガ NEU ! の英盤のライナ〜ノ〜ツを書いた (小川様よりのネタ) だけのことはありますね〜ブロック様。この曲に限らず、アルバム全編に渡ってそこここにジャ〜マンテイストが見え隠れしてますね。ブロック様、レゲェなんかやってないでこの路線で行って下さいよ、お願い! 2.「Frenzzy」 はブロック様の単独作のワンコ〜ドのグチャドロインプロ。しかしコリャ強力ですね〜〜〜、時間は 6 分未満と短いですが、'95 年版 「We Do It」 (「Acid Daze」 (DISC 2-10) をはじめ数多くのコンピに収録) と言ったらホメ過ぎか? 同時期の曲では 「Quark, Strangeness And Charm」 (3) の 「Black Sun」 なんかと同じベクトルです。3.「Pipe Dreams」 は前述のブロック様のソロアルバム 「Strange Trips And Pipe Dream」 からの曲。一転して静謐でスペイシ〜な世界ですね。3/4+4/4 の変拍子シンセリフが印象的。「Strange Trips And Pipe Dream」 のジャケットには宇宙空間を進んで行くスペ〜スシップが描かれているんですが、そのまんまのイメ〜ジです。4.「Heart Attack」 はショッキングなシンセの音で始まる寸劇っぽい短い曲。ブロック様単独作です。いきなり男がうめいたり女性がなんか喋ったりしてますが、「心臓発作」 っつうタイトルと関係あるんでしょう、きっと。ワタシの英語力では聞き取り不可能ですケド。そしてその寸劇を引きずって 「うげぇ〜」 という悲鳴で始まる 5.「Time And Space」 はブロック様 / デイヴィの供作。ワンコ〜ドの単純なシンセベ〜スのシ〜ケンスにシンセや電子音が絡む曲。ワンコ〜ドのシンセベ〜スにストリングスシンセのコ〜ドチェンジでテンションをつけるって手法、お手のものですね、ブロック様。尚この曲はコンピレ〜ションの 「The Ambient Anarchists」 (DISC 2-13) にも収録されました。

少し間を置いて 6.「The White Zone」 がスタ〜ト。再びブロック様単独作で 「Strange Trips And Pipe Dream」 からの曲です。ブロック様の相変わらずのギタ〜が炸裂していますね。B メロのギタ〜リフのあんまりさ加減もいかにもブロック様。もう少しヒネリがあっても・・・まぁこのイナタさがブロック様の持ち味か。この曲で初めてブロック様の声が聴けます。唄っているワケではなく冒頭のナレ〜ションのみですが。7.「In Search Of Shangrila」 もブロック様単独作でリズム主体の曲。曲全体にコラ〜ジュされている無国籍フレ〜ズのラッパ (?) の音が印象的です。サンプリングかなぁ、コレ。意外と音ネタ提供はニック様だったりして。後半もリズムは変わりませんがリヴァ〜ブが深くなり、お約束のクワイアのコ〜ド弾きが入って幾分スペイシ〜になりフェ〜ドアウト。フェ〜ドインで始まる 8.「Bay Of Bengal」 は一転してリズムレスのどスペイシ〜な小曲。ブロック様単独作で、このアルバムで作曲にブロック様のクレジットがある最後の曲です。シンセの重低音ドロ〜ンとメチャ単純なシ〜ケンス (たった 4 音のオクタ〜ブジャンプフレ〜ズ+ディレイ) の上にクワイアやストリングスシンセで味付け。ブロック様、きょうびはシ〜ケンサ〜も進化してるんだからもうちょっと・・・って大きなお世話ですね。っつうかたったコレだけで立派に曲として成立させてしまう辺り、才能だなぁ、伊達に 25 年もやってきたワケじゃない、ってトコですか。

9.「Moonbeam」 はドラムのデコ兄貴ことチャドウィックの単独作。「Space Bandits」 でホ〜クスに加入して以来 約 5 年、初の単独作の曲では? まぁ変名バンドですけど、コレ。さすがドラマ〜だけあってシ〜ケンスやリズムがハネ気味ですね・・・っつうかブロック様の曲がベタなだけか・・・あ、失礼。プロダクションからブロック様 (Dr. Techinical) が抜け、Lord Charles 単独になったせいもあるのか? あ。コレも失礼かな・・・。いえいえブロック様、虚空に木霊する様な一発芸ギタ〜がナイスですよ・・・って全然フォロ〜になってない上に結局失礼ですね、スミマセン。10.「Window Pane」 はディヴィ単独作の曲。さすがベ〜シスト、前半ののたうつ様な低音がグ〜。淡々としたリズムで始まりますが中盤ブレイクの後のチャドウィックのドラムと無限上昇音が緊迫感を醸し出してます。しかしこのブレイク後のスティ〜ルドラムっぽい音のベタな 8 分 7 連打は・・・ちょっとなぁ・・・。そしてアルバムを締めくくる 11.「Love In Space」 もディヴィ単独作。タイトルを見て 「Love In Space」 (12) の原曲か? と思ったんですが全く別の曲です。冒頭から最後まで全く変化の無い淡々としたシ〜ケンスにシンセソロなどが絡む曲。なにか喋っているようなシンセのシ〜ケンス音が印象的。ピッチベンドでフレットレスベ〜スのグリスダウンをシミュレ〜トしてる辺りはコレもベ〜シストならではの拘りか? 盛大にトレモロがかかったシンセソロのインド音階っぽいフレ〜ズは 「Love In Space」 のラストなどに収録されている 「Assassins」 のメインリフにそっくりですね。尚 10.「Window Pane」 と 11.「Love In Space」 のプロダクションは Lysergic Duke です。ちょっと地味というか淡々としたカンジがこのヒトの特徴か? しかしアルバムをシメるにはちょっと尻すぼみというか・・・もう少し曲順、考えた方がよかったかもしれませんね、ブロック様。



EBS のプレスリリ〜スを読んだ時点ではハッキリ言ってほとんど期待していなかったんですが、実際聴いてみたらかなりイケましたね〜コレは。外部の人間がプロダクションをやってると言うことで 「Spirit Of The Age -Solstice Remixes-」「Ritual Of The Solstice」 みたいなモンだろ、とか思ってたんですが。一言 「つまらん!」 という感想しかないんですよね、それらのリミックス盤って (せっかくレビュゥを寄せて頂いたり代理 GET して頂いたりしたHAWKWIND DAZE 管理人 様には申し訳ないのですが) 。しかしこちらは演奏がホ〜クスなだけあってさすがに一味違うというか・・・まぁ単なるエコひいきというハナシもありますが。ところでワタシゃテクノだのアンビエントだのダンスミュ〜ジックだのはほとんど知らないんですケド、当初の目的であるそれらへの対抗馬にはなり得ているんでしょうか。まぁ別になる必要も無いと思いますが (コレばっかですね) 。そういったいきさつ抜きでも充分イケてるアルバムですし。

ジャケットはシルヴァ〜と黒の 2 色印刷で、電子回路のプリント基板を画像処理したものです。インナ〜シ〜トの裏ジャケもほぼ同じ。これ、パソコンのマザ〜ボ〜ドかなんかなのかな。裏ジャケの基板の写真には NEC をはじめとしてやたら日本製のチップが目立ちますね。基板自体も日本製で 1988 年製造、アッセンブリナンバ〜は 800-09-93 となっています・・・って何のハナシだ。尚 EBS 盤はデジパック仕様だったらしいですがこちらはフツ〜のジュエルケ〜スです。あ、プログレ系の商品知識が乏しい大手外盤屋、H○V とかタ○〜レ○〜ドとかで探す場合、ホ〜クスコ〜ナ〜以外にも "W" とか "P" のア〜ティスト名もチェックした方がいいかもしれませんね。でもそもそも入荷しないか、そういうトコには。

実はこのアルバム、冒頭で 「扱いに困る」 と書いたのはウチのディスコグラフィのどこに分類しようかかなり迷ったためです。いくらメンバ〜自身の演奏とはいえなんか企画モンっぽい変名バンドをメインアルバムに入れるのもちょっとアレですし、かといってコンピに分類するにはブロック様のソロ 2 曲以外は全部新録だしブロック様のソロより早くリリ〜スされてるし、V.A. にしちゃアカの他人のバンドが一つも入ってないし・・・いっそのこと 2 〜 3 曲収録にしてくれりゃ EP としてお茶を濁せたんですケドね。で、3 日 3 晩間考えた末 (ウソ) 多少のムリは承知の上でやっぱりメインアルバムとさせて頂きました。過去にも 「Hawklords 25 Years On」 (バンド名は ”Hawklords" です。ただしこの時は一度解散した上での変名ですが) をメインアルバムに分類していますし。まぁいろいろ異論のある方もいらっしゃるかとは思いますがご了承下さい。それとも 「一発もんアルバム」 とかってジャンル新たに作ったほうがよかったかな・・・。

・・・ともあれこのアルバムでスペイシ〜路線に拍車がかかったか、バンドはヴォ〜カリストに正式メンバ〜として新人 (?) のロン・トゥリ〜なる人物を迎え、同 '95 年 10 月に今度こそ正真正銘ホ〜クス名義の新譜としてどスペイシ〜なコンセプトアルバム 「Alien 4」 をリリ〜スします。


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