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1999.07.12. Upload.

"IN YOUR AREA"
1998

in your area

CD:GRIFFIN MUSIC/GCD740-2
CD:HAWKWIND RECORDS - VOICEPRINT/HAWKVP17CD

1.Brainstorm / 2.Hawkwind In Your Area
3.Alchemy / 4.Love In Space
5.Rat Race / 6.Aerospace-Age Inferno
7.First Landing On Medusa / 8.I Am The Reptoid
9.The Nazca / 10.Hippy / 11.Prairie
12.Your Fantasy / 13.Luxotica
14.Diana Park

Line-Up



'98 年、GRIFFIN レ〜ベルよりのリリ〜ス。'70 年のデビュゥ以来、'89 年 (ツア〜で忙しかったとの説あり) 以外は毎年 (!) なんらかの形でニュ〜アルバムをリリ〜スしてきた我らがホ〜クスですが、'98 年はなかなか新譜がリリ〜スされず、コリャ 2 度目のお手つきか、と思っていたところ年も押し詰まった年末に滑り込みセ〜フのリリ〜スでした。とはいえライブ録音とスタジオ録音の組み合わせ、という少々苦し紛れ (?) な形態のアルバムですが。ちなみに 1.「Brainstorm」 から 6.「Aerospace-Age Inferno」 までがライブ録音、とあります。ブリュッセルでの録音、ともクレジットがありますが、ライブ録音のみなのかスタジオ録音のみなのか、はたまた両方なのかはよく解りません。

前作 「Distant Horizons」 のメンバ〜に加えて、ヴォ〜カリストにキャプテン・リズ、専任のキ〜ボ〜ディストとしてクラム、という名前がクレジットされています。HAWKWIND DAZE 管理人 様にご指摘を頂いたのですが、この2人はすでに '97 年のライブにゲスト参加しており、キャプテン・リズの方は前作 「Distant Horizons」 にも Thanks to 〜とクレジットされていました。前作では1 曲目でヴォ〜カルを取っている様ですね。そしてなんと驚くなかれ、このキャプテン・リズ、ホ〜クス史上初の黒人ヴォ〜カリストです。スリ〜ブのライブ写真の中に両手を広げて唄っているドレッドヘア〜のレゲェのおじさんが写ってますが、これがリズなんでしょう。作曲にも 2 曲、リズの名前がありますが、パ〜マネントなメンバ〜としてやって行くのでしょうか。一方キ〜ボ〜ディストのクラムなる人物は作曲にはクレジットがありません。今回もライブ録音のためのゲスト参加だったのか?まぁ結果は次作というコトで。

尚、最初にお断りしておきますが、本アルバムにはホ〜クスアルバムではもうお馴染み (?) の、曲目エラ〜が盛大にあります。割と細かく各曲のクレジットが記されておりましたのでそれを元に書き直すと、次の様になります。

1.Brainstorm (Incl. Hawkwind In Your Area)
2.Alchemy
3.Love In Space 〜 Rat Race
4.Love In Space 〜 Aerospace - Age Inferno
5.First Landing On Medusa
6.I Am The Reptoid
7.The Nazca
8.Hippy
9.Prairie
10.Your Fantasy
11.Luxotica
12.Diana Park

ん〜アンタたち、マスタリングにまで立ち会え、とは言いませんが、一応インデックスのチェック位やったほうがいいんじゃないですか?それとも年も押し詰まっててアセってたのかな。曲が入れ子になっていたりしてややこしいので、レビュゥではオリジナルの表記を使用させて頂きます。

前作 「Distant Horizons」 があんまりな絶不調 (勝手に決め付けてますが) だったのでどうなることやら、と不安だったのですが、キ〜ボ〜ディストの参加もあってかアルバム全体的にかなりスペイシィさを取り戻していますね。ん〜ちょっと安心。では行ってみましょう。アルバムはパッパカパ〜という (ちょっと違うか) ラッパと群集の 「Hawkwind In Your Area 〜」 という叫びで幕を開けます。ライブの客ではないみたいですけど。1.「Brainstorm」 、これはかなりギンギンのライブテイクですね。ヴォ〜カルはトゥリ〜が取っています。なんかニック様の唄い方に似せようとしてるみたいなんですけど、ムリしなくてもいいのに。物真似大賞じゃないんだから。本人が出てきて一緒に唄ったりなんてコトは間違ってもありそうに無いですし・・・あ。のっけから脱線してしまった。で、途中から 2.「Hawkwind In Your Area」 になだれ込みます。'94 年の 「The Business Trip」 以来やってなかったので、「やっと忘れてくれたか」 と安心していたレゲェがまたまた復活。冒頭に述べたキャプテン・リズがヴォ〜カルの模様、というかそれしかあり得ませんね。多くは申しますまい。曲は 「It Is The Business Of The Future To Be Dangerous」「The Business Trip」 に収録の 「The Camera That Could Lie」 の歌詞を変更しただけのもの。レゲェのおじさんがヴォ〜カルなだけあって、もうそのまんま、ド真ん中ストレ〜ト!なレゲェです。エンディングは再びトゥリ〜がヴォ〜カルの 「Brainstorm」 に舞い戻って終了です。

3.「Alchemy」 は前作 「Distant Horizons」 に収録のインスト曲。ライブだからといって特にインプロを交えたりとかは無く、ほぼ元曲と同じ尺でやってます。ただ、専任キ〜ボ〜ディストの参加もあってかオリジナルよりもシンセ・電子音が厚くなっていてスペイシィさはこちらが上。ライブならではのラフさとホ〜ル音響もカッコよさに一役買っていますね。ってスタジオバ〜ジョンとの比較ではコレばっか言ってる様な気がしますが。続く 4.「Love In Space」 は前作 「Distant Horizons」 のインストバ〜ジョンではなく、ライブ盤 「Love In Space」 に近い唄入りバ〜ジョン。キ〜ボ〜ドがデジタルっぽいかすれた感じのクワイアも加えていて益々スペイシィ。いいねぇ、しみじみ、と思うのもつかの間、1 分ちょっとでチャドウィックのタム回しが入り、5.「Rat Race」 が始まります。ヴォ〜カルは再びリズ。なんか声がニック様に似てますね。さすがに 「Come On !」 の雄叫びはレゲェのおじさんになってしまいますけど。今後ニック様の持ち唄はリズにやってもらうってのはどうでしょう。歌詞は 「目ェさませ、オマエらネズミじゃなくて人類なんだぜ!」 とかって唄ってる様子。再びちょろっとブロック様の 「Love In Space ♪」 というコ〜ラスが入ってこれまたすぐに 6.「Aerospace-Age Inferno」 になだれ込みます。この曲、HAWKWIND DAZE 管理人 様のレビュゥで触れられていなければ気付く事はなかったのですが、カルヴァ〜トのファ〜ストソロアルバム 「Captain Lockheed & The Starfighters」 の収録曲です。元曲は聴いたことが無いのですが、破壊力抜群ですね。エンディングのフィ〜ドバックやノイズの嵐がグッド。しかしここ数年、ホ〜クスの中でカルヴァ〜ト再評価熱が高まっているのでしょうか。やけにカヴァ〜が多いですけど。冒頭で述べた通り、ライブ録音はここまでです。

スタジオ録音の 1 曲目、7.「First Landing On Medusa」 は運命を引きずったかの様な (なんじゃそれは) キ〜ボ〜ドと打ち込みのパ〜カッション、電子音などをバックにブロック様が通信ヴォイスで語る曲。前作 「Distant Horizons」 では見切りをつけられたかのように見えた宇宙ネタが復活していてウレシイですね。1 分 40 秒しかやってくれませんけど。ブロック様が全ての楽器をプレイした、とのクレジット有り。いきなりブチッと切り替わり狂ったような笑い声で始まる 8.「I Am The Reptoid」 は 「Distant Horizons」 (6) に収録の 「Reptoid Vision」 の中間部を抜き出した曲。新加入のリズが語りを入れています。レゲェだけじゃないのね、このヒト。声もニック様に似てるし、意外な穴馬だったりして。トゥリ〜も語り入れてるみたいですけど、存在感薄いですよ。いくらエフェクトでピッチ変えても。認めたかぁ無いけど、やっぱ黒人にゃかなわないのかなぁ、ヴォ〜カルは。この曲は語りですけど。続いてブロック様がこれまた全ての楽器を演奏、とある 9.「The Nazca」 は前の曲のヤバい雰囲気を受け継いだ様な曲調に女性の通信ヴォイスが絡む曲。短いです。45 秒位で終わってしまいます。

お次の 10.「Hippy」 はリチャ〜ズ / トゥリ〜 / チャドウィックによる曲。HAWKWIND DAZE 管理人 様のレビュゥにもありましたが、なる程コリャ新機軸ですね。イントロのギタ〜なんかいきなりインドっぽいし、ここまでスポ〜ンと抜けたというかいわゆる世間一般でいうところの 「サイケ」 の概念ををそのまんま持ってきた曲は今まで無かったのでは。歌詞には太陽系の惑星の名前やギリシャ時代の 4 大元素、土、空気、火、水なんかも登場します。続く 9.「Prairie」 も同じメンツのインスト曲です。「大草原」 というタイトルでホ〜クスの曲となるとかなり荒涼とした世界を想像するのですがさにあらず。なんかほのぼのというかホンワカというか、「わくわく動物ランド」じゃないんですから、もう、って感じですね・・・って観たコトありませんけども。前の曲と同じメンツとはとても思えません。

10.「Your Fantasy」 、いきなりどスペイシィですね。落差激しいです。これはキ〜ボ〜ディストのクラムを除いたメンバ〜の合作。フェイザ〜がかかったスペイシィなシンセとホ〜クス定番のオルガンのイントロに続いてシンセのシ〜ケンスとチャドウィックのドラムが入り、リズが語りっぽいヴォ〜カルを取ります。他のメンバ〜もコ〜ラスを入れてます。ところで前から気になっていたのですがイントロのオルガンの音、ホ〜クスのアルバムではイヤって言うほど使われていますね。ワタシゃデジタルシンセにゃ詳しくないんですが、何かのシンセのプリセットなんでしょうか。13.「Luxotica」 は前曲からリズを抜いたメンツのインスト。タイトルもそうですが、どことなく南国風。テ〜プの逆回転によるギタ〜ソロ入り。コレ、ウチのパソコンの録音ソフトで逆再生して確かめました。ん〜便利な世の中ですね〜。本人達もハ〜ドディスクレコ〜ディングして逆再生して切り貼りしたんだったりして。ラストの 14.「Diana Park」 はブロック様単独のインスト。これまた南国風リズムの・・・哀愁のエレキインストです。テクの無いサンタナなどと言ったら失礼ですね、スミマセン。しかしブロック様の南国趣味、未だ健在ですね。早く熱冷まして欲しいんですが・・・。

スリ〜ブは 16 ペ〜ジのブックレットになっていまして、ライブ写真や歌詞、イラストなどが印刷されています。ライブ写真には相変わらずスライドやフィルム、火吹き芸人などお馴染みの世界。サイケデリックなペイントを施したギタ〜を下げて振り向いてニンマリ、のブロック様の写真がありますが、なんと。ロ〜ランドのギタ〜シンセのピックアップ付けてるじゃぁありませんか。まぁギタ〜の音を MIDI 信号に変換するだけのディバイスなのでシンセ本体は他のメ〜カ〜かも知れませんが。最新の機器使いこなしてるなぁ、いいトシしたオヤジにしちゃ。ワタシゃちょろっと GR-50 をいじっただけですぐに厭きましたけど。あ。単にワタシが厭きっぽいだけか。チョ〜キングに追従するピッチベンド情報、かなり間引かないと MIDI 情報が渋滞して反応トロくなりますよ、ブロック様・・・って大きなお世話ですね。ブロック様の使用楽器に相変わらず SYNTHI-A のクレジットがあるのがウレシイです。デジアナ混在かぁ、ワタシも見習わないと。ケ〜スの裏ジャケにはディヴィにしちゃ珍しくギブソンのサンダ〜バ〜ドベ〜スが・・・あ。ディヴィじゃなくてトゥリ〜なんだな、もう。

前作 「Distant Horizons」 よりはかなり巻き返してきているとはいえ、まだまだ本調子とは言えない様です。アルバムも 「Zones」「Out & Intake」 などと似た作りですし。がんばれホ〜クス、今年は一発ミレニアムを締めくくるにふさわしい気合の入ったスタジオアルバムをブチかまして下さいませ。できれば南国情緒はヌキにして・・・って本人達が好んでやっていることをこちらの好みだけで否定するのは傲慢ですね。でも言いたいですけど。そしてそろそろ録音だけでも仕上げとかないとまた年末になってドタバタしますゼ。それとも 10 年振りのお手つきですか?・・・最後まで大きなお世話でしたね、スミマセン。



昔のはこちらをどうぞ。


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