|HOME| |HAWKWIND DAZE|

1999.07.26. Upload.

"THE ELF & THE HAWK"
1999

the elf & the hawk

CD:BLACK WIDOW/BWCD 026-2

HAWKWIND
1.Countdown

HAWKWIND
2.Ejection

DARK EMPIRE
3.The Human Race

SYNDRONE
4.Synprovisation

HAWKWIND
5.Ghost Dance

MICHAEL MOORCOCK'S DEEP FIX
AND
BRIAN TAWN
6.The Tale Of The Entropy Tango

UNDERGROUND ZERO
7.Aimless Flight

DAVE BROCK
8.Burn Me Up

ALAN (THE ELF) DAVY
9.Solar Gig
10.Cosmic Dawn
11.Chinese Wispers
12.Ode To A Bass Assassin
13.The Switch (Don't Touch...)
14.Fractal Hunter
15.Space Rock

PXR. 1
16.Spirit Of The Age



'99 年、イタリアの "BLACK WIDOW" なるレ〜ベルよりのリリ〜ス。 "BLACK WIDOW" というのはイタロックの新人バンドのアルバムをリリ〜スしているレ〜ベルだと思っていたのですが、なにゆえホ〜クスのアルバムをリリ〜ス?それはともかくこのアルバム、新譜ではなく再発モノで、Brian Tawn 氏が発行しているホ〜クスのファンジン "HAWKFAN" の 12 号の付録として '86 年にリリ〜スされた通称 「Hawkfan 12」 というアルバムと、同じく "HAWKFAN" によって '87 年にリリ〜スされたアラン・ディヴィのソロ E.P. の組み合わせに ±α 、という内容です。+α はブロック様の 8.「Burn Me Up」 、ディヴィの 14.「Fractal Hunter」 と 15.「Space Rock」 、"PXR. 1" の 16.「Spirit Of The Age」 です。そして -α はオリジナルでは 「Hawkfan 12」 に収録されていた "Hawkwind / Brian Tawn" 名義の 「The Competition」 という曲。あああまた曲ヌケだぁっ!い〜加減にしてくれぇっ!火ィ付けるぞコノヤロウ・・・ってドコにだ。

尚、今回の再発には CD と 2 枚組 LP がありまして、LP (BWR 026) には CD に収録の全曲にプラスして "PXR.1" の 「Nasca Lines」 、「Sonic Bird」 という 2 曲 が収録されています。おめ〜ら (誰や) ホントい〜加減にしねェと、しまいにゃ泣くぞコラ。結局どっちも買いましたケド・・・(=泣き寝入り) 。

本アルバムは一応コンピレ〜ションに分類しましたが、他のコンピとはかなり性格が異なっており、クロスチェックなど設けてもあまり意味が無いと思われますので (リンクが無い曲ばっかです) 、コンピのレビュゥの書式には合わせませんでした。ご了承下さい。



1.「Countdown (Hawkwind)」 は 「BBC Radio One In Concert」 の冒頭も飾った、ステイシアとブロック様によるナレ〜ション、同テイクです。「BBC Radio One In Concert」 の方はなんかテ〜プがヨレてますけど、こちらは音質良好。天下の大 BBC 様なんだから、もう少しテ〜プ管理しっかりして欲しいですね・・・っていきなりハナシが逸れましたが。2.「Ejection (Hawkwind)」 は Brian Tawn 氏の "Hi, Weicome to HAWKFAN 12" というナレ〜ションに導かれて始まります。いきなり年代が下がって '82 年のツア〜の録音とのこと。メンバ〜はブロック様、ニック様、ベインブリッジ、ラントン、マ〜ティン・グリフィンで、ヴォ〜カルはニック様。かなりイケイケのライブテイクですが、電子音がほとんど出てこないのと収録時間が短い (2 コ〜ラス+ギタ〜ソロで 2 分 ちょっと) のが残念です。

3.「The Human Race (Dark Empire)」 はシンセのシ〜ケンス主体の曲。スリ〜ブノ〜トによると "HAWKFAN" のア〜トワ〜クを担当している Bill Jones 氏が様々なキ〜ボ〜ドを使って作ったベ〜シックトラックに、ギタ〜で Phil Turner がゲスト参加、と書いてありますが、ドコにギタ〜が入ってるのか解りません。この "Dark Empire" ってバンド、「Future Memories」 なるテ〜プも発売していたとあります。Bill はそのテ〜プを録音した後キ〜ボ〜ドをすべて売っちゃったので、彼の音楽を入手するのはそのテ〜プが唯一の方法らしいです。曲は特に展開するワケでもなく、シンセによる爆発音で終了。続く 4.「Synprovisation (Syndrone)」 はシンセによる爆撃シ〜ンのシミュレ〜ションで幕を開け、フィルタ〜のカットオフを開閉したシンセのワンコ〜ドのシ〜ケンス (LFO でトリガ〜かけてるだけかもしれません) にドラム、ギタ〜のインプロが絡む曲。タイトルはシンセとインプロビゼ〜ションのかけ言葉でしょう。"Syndrone" というバンドは常にメンバ〜が流動的だったらしく、中心人物の Lloyd George 氏によると、「初期のホ〜クスやゴングみたいなモンだ」 とのこと。音楽スタイルも様々だったみたいですね。

5.「Ghost Dance (Hawkwind)」 はいろんなコンピレ〜ションにライブバ〜ジョンが収録されているズンドコリズムの曲。 スタジオバ〜ジョンは存在しないらしく、ここに収録の音源も '84 年 11 月 27 日録音の 「当然ライブテイク」 とのこと。ニック様とベインブリッジの供作となっていて、ニック様のヨイヨイヴォ〜カルがすっかりお約束ですね。ちなみにメンツはブロック様、ニック様、ベインブリッジ、ラントン、ディヴィ、"Clive Deamer" となっていますが、"Clive Deamer" というのはドラマ〜か?当時はダニ〜・トンプソンがドラマ〜だったハズなんですが、なんかあったのかな。

6.「The Tale Of The Entropy Tango (Michael Moorcock's Deep Fix and Brian Tawn)」 はいくつかの曲の断片と Brian Tawn 氏の解説 (?) からなる曲 (と言っていいのか・・・) 。ムアコックと Pete Pavli (多分 "High Tide" のベ〜シストでしょう) が '79 年にノッティングヒル・ゲイトのスタジオで録音したとあります。ここに収録されたのはその中の 「Entropy Tango」 のエンディング、「On The Megaflow」 、「At The Time Centre」 とのこと。各曲の合間には前述の通り Brian Tawn 氏のナレ〜ションが入りますが、何を言ってるのかは聞き取り不能です。別に音質がヒドいとかロンドン訛りがヒドいとかいうワケでは無く、ワタシの英語力が無いせいなんですが。一発目の 「Entropy Tango」 はタイトル通りピアノ演奏がメインのタンゴ曲。ヴァイオリンも入ってますがひょっとしてハウスさん?2 つ目の 「On The Megaflow」 はマイナ〜コ〜ドのワルツ曲。ここにもヴァイオリン入ってますね。 3 番目の 「At The Time Centre」 はタイトルこそ似ていますが、「The Best Of Friends & Relations」 (12) に収録の 「Time Centre」 とは似ても似つかないですね。ギタ〜がかなりヤバい雰囲気のワンコ〜ドのインストです。インスト、ってトコだけは共通してますね、「The Best Of Friends & Relations」 収録の奴と。

7.「Aimless Flight (Underground Zero)」 はアナログ時代はこのアルバムが初出だったのですが、その後 「Hawkwind Friends & Relations The Rarities」 (1) に収録されました。詳しくはそちらを参照して下さい。元気のいいスペイシ〜なニュゥウエイヴバンド、って感じですね。好感度大。Brian Tawn 氏も大のお気に入りとのことです。

8.「Burn Me Up (Dave Brock)」 はオリジナルでは収録されていなかった新規収録の曲。小川様よりの情報によりますと、他では聴くことの出来ない正真正銘の未発表曲とのこと。嬉しくはあるんですが、オリジナルから全曲収録した上でこういうボ〜ナストラックを収録するのがスジってもんでしょう・・・って文句言ってても始まりませんね、もう止めます。そんな恨みつらみとは裏腹に (?) 曲はのっけから電子音ビンビンでどスペイシ〜。シンセベ〜スのシ〜ケンスと生ドラムをバックにした演奏です。ワンコ〜ドですがブロック様のヴォ〜カルやワウギタ〜なんかも入って Good 。ヴォ〜カルラインは 「Electric Tepee」 (8) に収録の 「Mask Of The Morning」 の A メロを想像していただければ当たらずとも遠からじ、といった感じですね。途中一箇所だけ女性とおぼしきヴォ〜カルが入りますが誰だ?

ここから先しばらくはディヴィのソロ。冒頭でも述べた通り "HAWKFAN" よりリリ〜スされたディヴィのソロ E.P. からの収録で、14.「Fractal Hunter」 と 15.「Space Rock」 は本アルバムのみの新規収録。スリ〜ブノ〜トによるとディヴィが自宅でドラムマシンやギタ〜、ベ〜ス、エフェクタ〜なんかを使って 4 トラック (!) で録音した音源とのこと。ディヴィから送られてきた '83 〜 '84 年のテ〜プから Brian Tawn 氏が選曲したらしいです。ディヴィはホ〜クスに加入するに当たりブロック様にデモテ〜プを送っていたらしいんですが、ホ〜クス加入が '84 年なのでココにそのデモテ〜プの音源が収録されているかもしれませんね。ブロック様も納得するわな、このスペイシ〜加減なら。9.「Solar Gig」 はチ〜プなリズムマシン (ドラムマシンというよりは・・・) をバックにしたノリノリのインスト。電子音もバリバリ入ってますがまだ未消化?ベ〜スのスタイルはすでに出来あがっていますね。10.「Cosmic Dawn」 はゆったりしたテンポの 6/8 のインスト。シンセの電子音も大分こなれて来たかな。しかし結構ギタ〜も達者ですね。11.「Chinese Wispers」 も電子音バリバリのどスペイシ〜なインスト。ライン録りのベ〜スがまるでギタ〜みたいな音ですが意図的なものなんでしょう、きっと。中間部で威勢良く展開する直前に、ちょっとだけベ〜スラインがレミ〜様っぽくなる辺りがご愛嬌。ま、本人も影響、認めてますし。しかしドコが 「Chinese」 だ? 12.「Ode To A Bass Assassin」 はピコピコリズムで始まるので 「ン?」 と思いますがそれは当時の機材が未発達なせいで、曲に入ればちゃんとした (?) スペ〜スロックになります。インストですけど。ん〜〜〜なかなか味のあるギタ〜ソロ弾きますね〜、ディヴィさん。13.「The Switch (Don't Touch...)」 は 1 分足らずの短い曲。テ〜プの逆回転も使ってますが、これ、カセット MTR のテ〜プひっくり返すと簡単に出来るんですよね〜。経験あります。エンディングにちょっとだけ声が入っていますが、初のヴォ〜カルナンバ〜?って程のもんじゃないか。さてここからは新規収録。小川様によるとこれもここが初お目見えの未発表曲とのこと。14.「Fractal Hunter」 は中間部のギタ〜リフがちょっとだけ 「The Chronicle Of The Black Sword」 (11) に収録の 「Horn Of Destiny」 の A メロを思わせますね。「ネタ頂き〜!」 ですか?ブロック様。「The Chronicle Of The Black Sword」 じゃ作曲のクレジットがブロック様になってましたケド・・・。あ。ゴメンナサイ・・・。メインリフも確かドコかで聴いた様な気がするんですが・・・うう、思い出せん。余談ですがタイトルにある 「Fractal」 ってのは、「フラクタル幾何学」の事ですね。あ。逃げ出さないで下さい。多分皆様も一度は目にした事があると思われる、どスペイシ〜な幾何学模様を生成する数式のコトです。ホ〜クスやニック様も最近のステ〜ジのライティングで使ってるみたいですね。数式を、じゃなくて幾何学模様をですが。15.「Space Rock」 はタイトルを見れば内容は一目瞭然でしょう。多くは申しますまい。「本採用決定!」 とブロック様が言ったかどうかは定かではありませんが。・・・以上ディヴィのソロ、多分カセット 4 トラックでの録音で音質はセコいのですが、曲はカッコいいしスペイシ〜だし、結構・・・というか素直になれ!・・・ハイ、とても楽しめました。

CD ではラストを飾る 16.「Spirit Of The Age (PXR. 1)」 は言わずと知れたホ〜クスのカルヴァ〜トナンバ〜のカヴァ〜。電子音、リバ〜ブビンビンで 「Quark; Strangeness And Charm」 (1) に収録のオリジナル以上にスペイシ〜。というか数あるライブテイクよりスペイシ〜さでは上を行ってるのではないでしょうか。しかもまぁなんと 12 分もやってます。このバンド、ホ〜クスのファンの Phill Howard のバンドで、バンド名の "PXR. 1" はブロック様自身の公認だとのこと。ん〜なんと光栄な。しかしその名に恥じない、いいシゴトしてます。Brian Tawn 氏も多くのホ〜クスファンに楽しんでもらえるだろう、と寄稿してますが、これだけやってくれりゃ二重丸・・・いや、三重の花丸上げてもいいですね。バンドメンバ〜のクレジットの中に 「In Your Area」 でキ〜ボ〜ディストとしてクレジットされていた "Crum" の名前がありますが、メジャ〜昇進?とはいえ CD にはその "Crum" 参加の曲は収録されていませんが・・・。

LP のみ収録の残りの "PXR. 1" の曲についても述べておきましょう。「Nasca Lines」 は CD の 16.「Spirit Of The Age」 から連続して演奏されるインスト曲。アンビエントっぽい、って言うんですか?こういうの。ワタシゃ詳しくないんで見当ハズレな感想かもしれませんが。「Sonic Bird」 も続けて演奏される、やはりインスト曲。雰囲気もそのまま引きずっています。CD しか入手できなかったとしても、まぁそれほど残念がるほどの事は無い・・・などと言ったら失礼ですね、スミマセン。あと、冒頭で述べた、オリジナルの 「HAWKFAN 12」 から漏れた "Hawkwind / Brian Tawn" 名義の 「The Competition」 という曲ですが、小川様からの情報によると 6.「The Tale Of The Entropy Tango」 に似た、ホ〜クスのライブの断片と Brian Tawn 氏のナレ〜ション (というか司会) だとのことです。それでも収録して欲しかったですね、やっぱり。



オリジナルの "HAWKFAN 12" やディヴィのソロ E.P. はすでに激レアアイテムですので、曲ヌケはあるにしろ 「買い」 ではないでしょうか。間違っても入門盤ではありませんが、このコ〜ナ〜で何度も申し上げている通り、将来コアなファンになった時にはすでに "HAWKFAN 12" などと同様激レアアイテムになっているかもしれませんし。7 月アタマに新宿のディスクユニオンで CD と LP 、7 月下旬に横浜のディスクユニオンで CD の存在を確認しています。


|HOME| |HAWKWIND DAZE|