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2000.12.03. Upload.

"ATOMHENGE 76"
2000

atomhenge 76

CD:HAWKWIND RECORDS - VOICEPRINT/HAWKVP5CD

DISC 1
1.Intro / 2.Reefer Madness
3.Paradox / 4.Chronoglide Skyway
5.Hassan I Sahba / 6.Brainstorm
7.Wind Of Change

DISC 2
1.Instrumental / 2.Steppenwolf
3.Uncle Sam's On Mars / 4.Time For Sale
5.Back On The Streets / 6.Sonic Attack
7.Kerb Crawler



2000 年、Voiceprint からリリ〜スされた 2 枚組ライブアルバム。'76 年の Astounding Sounds Amazing Music ツア〜でのライブを収録しています。一応 PA 卓からの収録の様で全体的に音質は良い方なんですが、残念ながらモノラル。また、そこここにテ〜プのヨレらしき音質劣化があります。まぁ古い音源ですし、正規のライブ盤を予定しての録音でもなさそうですので仕方ないですね、その辺は。

このアルバム、既に去年の内から 「Glastonbury 1990」 のインナ〜シ〜トでアナウンスされていたんですがちっともリリ〜スされず、そうこうしている内に US の GRIFFIN レ〜ベルからやはり '76 年のツア〜を収録した 「Thrilling Hawkwind Adventures」 が今年の 4 月に突然のリリ〜ス、そのせいかどうか解りませんがこちらは 「リリ〜スがキャンセルされた」 というウワサが立っておりましたので、なんか今更というか 「え? 出たの?」 という感じでした。ワタシゃもうリリ〜スはすっかり諦めて 「Family Tree」 のレビュゥでも思いっ切り 「出るわきゃぁ無い」 、とかって書いてしまったんですが・・・まぁいいか。っつうかガセ流してスミマセン。

上記の様ないきさつもあり内容についてはおおよその見当がついていたんですが、収録曲は GRIFFIN の 「Thrilling Hawkwind Adventures」 とかなりダブっています。とはいえこちらは腐っても (腐ってないか) 2 枚組、収録曲は当然増えていますのでご安心下さい。尚その 「Thrilling Hawkwind Adventures」 でも触れた同じ音源の (そしてタイトルまで本アルバムと同じ) CD-R ブ〜ト 「Atomhenge 76」 よりもやはりこちらの方が収録曲が多くなっています。音質も良くなっていますし、タイトルまでバッティングさせてる辺りブ〜ト潰しのダメ押し、ってトコですか? >Voiceprint 様。



1.「Intro」 は曲というより開演前の様子。ドラムキットのチェックとか電子音ピロピロとかやってます。そしてライブ本番は 2.「Reefer Madness」 でスタ〜ト。当時の新譜 「Astounding Sounds Amazing Music」 のトップナンバ〜で、この新譜を受けてのツア〜ですので順当な選曲ですね。間奏部分の長めのインストを含め、結構スタジオバ〜ジョンに忠実に演ってます。途中でテ〜プが少しヨレるのが残念。続く 3.「Paradox」 はこのアルバム中唯一ブロック様がリ〜ドヴォ〜カルを取るナンバ〜。いくらカルヴァ〜トをフロントに立てていた時代とはいえやっぱりこの曲のヴォ〜カルだけは譲れん、ってトコですか。尚この曲のライブバ〜ジョン (っつうかライブバ〜ジョンしか無いらしいですが) はあまりお目にかかれませんので結構貴重かも。エンディングのニック様のフル〜トもこの当時としては珍しいのではないでしょうか。そのエンディングから続けて演奏される 4.「Chronoglide Skyway」 もやはりライブ音源は珍しいです。「Astounding Sounds Amazing Music」 からの選曲ですのでやはりこのツア〜ならでは? ハウス様の弾くストリングスシンセが印象的なメロウ (死語か) なインストで、ニック様のサックスもなんか調子コいた・・・もとい、おされでア〜バンな雰囲気 (メチャクチャ死語だなコレも) のフレ〜ズを吹いたりしてますね。ブロック様も一生懸命つたない (失礼) ギタ〜ソロを弾いてます。それにしてもベ〜スのルドルフ! キメのフレ〜ズのトコをワンコ〜ドで押すのはやめなさい! かなり気持ち悪いんですケド、聴いてて。

少し間を置いてブロック様のギタ〜リフで始まる 5.「Hassan I Sahba」 はお馴染みの 「はっしっしぃ〜♪」 です。翌年リリ〜スのアルバム 「Quark; Strangeness And Charm」 の収録曲ですのでこのライブ当時は未発表曲というコトになりますね。まだアレンジが固まっていなかったのかはたまたライブ向けのアレンジなのか、ハウス様はあの怪しげななヴァイオリンを弾かずにストリングスシンセのバッキングに徹しています。尚この曲は先程 「お馴染み」 と書いた通り後年ホ〜クスのライブ定番曲となるのですが、意外とカルヴァ〜トのヴォ〜カルバ〜ジョンは珍しくオフィシャルでは本アルバムが一応初のリリ〜スとなります。おお、目出度い! 拍手! ・・・といきたいところですがなんつ〜かその、カルヴァ〜トのヴォ〜カルが・・・A メロをワンコ〜ラス唄った後すぐにサビに行ってしまうんですケド、おいおいアンタそりゃ違うだろうって。本人もチョンボに気付いたのかちょっとしどろもどろになってますが。まぁまだ新曲で演奏もこなれてなかった、ってトコですか。演奏はカッコいいのに残念ですね。笑えましたケド・・・って揚げ足取ってスミマセン。

電子音ひゅんひゅんとキ〜ボ〜ドのインプロ、ギタ〜のディレイ遊びを挟んで 6.「Brainstorm」 がスタ〜ト。「Thrilling Hawkwind Adventures」 とはココからダブり始めます。この曲、一応作曲者のニック様がリ〜ドヴォ〜カルなんですがほとんどカルヴァ〜トのバッキングヴォ〜カルの方が目立ってますね。ニック様、このライブでは楽器面でのフィ〜チャ〜も少ないですし、おまけにこのツア〜の後クビになることを考えるとこの時点で既に干されていたのかも (涙) 。続く 7.「Wind Of Change」 は再びインスト曲。オリジナルバ〜ジョンではハウス様のヴァイオリンが美しかったのですがココではハウス様はストリングスシンセに専念、代りにブロック様がつたな・・・(省略) ギタ〜ソロを弾いてます。まだブロック様がライブでキ〜ボ〜ド (電子音ではなく) を弾く様になる前の事ですのでこの役割分担は仕方無いですね・・・ってなんか相当失礼なコト言ってる様な気もしますが。この曲で DISC 1 は終了です。

DISC 2-1.「Instrumental」 はタイトル通りヴォ〜カル無しのインストというか電子音垂れ流しというか単なる曲間のお遊びというか・・・別にいちいち曲名付ける必要も無かったと思いますが・・・そのためかこの部分は 「Thrilling Hawkwind Adventures」 ではカットされています。続く 2.「Steppenwolf」 は中盤のハイライト? 当時の新譜 「Astounding Sounds Amazing Music」 からの選曲で、スタジオバ〜ジョン同様結構長いコト演ってます。この曲ではようやくハウス様のヴァイオリンが炸裂、中盤のソロやカルヴァ〜トの語りに絡む辺りは 「これぞ俺の本業!」 ってカンジで弾きまくってますね。3.「Uncle Sam's On Mars」 はアルバム 「P.X.R. 5」 に収録される曲でこのライブ当時は未発表曲。キングとパウエルのツインドラムがようやく本領発揮 (?) の反復ビ〜トが強力です。「P.X.R. 5」 ではキング単独のドラムになってしまいますので、このツインドラムバ〜ジョンはかなり貴重なのでは? まぁ言われなきゃ気が付かない、っつうハナシもありますケド (おい) 。4.「Time For Sale」 は本アルバム・・・というか先行ダイジェストアルバム (?) 「Thrilling Hawkwind Adventures」 で初めて日の目を見たアルバム未収録曲。ルドルフとパウエルのホ〜クス改造画策組が仕掛けたと思われるファンキ〜 (!) な曲ですが・・・やっぱ似合わんでしょう、こ〜ゆ〜のは。サビの部分は結構カッコいいんですケドね。結局このツア〜の後ルドルフとパウエルは脱退 (あるいはクビ) 、この曲はスタジオ盤に収録される事も無かったワケで、なんとなく解るような気もするな、うん。

少し間を置いて始まる 5.「Back On The Streets」 はこのライブの翌年リリ〜スされるシングル曲ですのでこの時点では未発表曲。ポップなロケンロ〜です。ブロック様のイントロのギタ〜リフが途中でストップしてますが (「Thrilling Hawkwind Adventures」 ではこの部分はカット) 、なんかチョンボでもあったのでしょうか。続く 6.「Sonic Attack」 は 「Space Ritual」 などにみられる電子音+ポエトリ〜・リ〜ディングスタイル。カルヴァ〜トさん、中盤で巻き舌っつ〜かべらんめぇっつ〜か、盛大にコロがしてますね〜舌。てやんでいべるるるぁぼ〜め、へいいるるるぁっしゃい、てなカンジで、ほとんど江戸っ子の板さんみたいです (違うって) 。「Thrilling Hawkwind Adventures」 とのダブりはココまでで、次の 7.「Kerb Crawler」 は本アルバム (及び CD-R ブ〜トの 「Atomhenge 76」 ) のみの収録。この曲は当時の新譜 「Astounding Sounds Amazing Music」 の先行シングル曲でアルバム未収。いわば当時のニュ〜シングル、ってトコですか。5.「Back On The Streets」 同様コイツもポップなロケンロ〜ですね。ブロック様が弾くベタベタペンタなギタ〜ソロが微笑ましいです。ちょっと疲れが出てきたのか、サビの部分のカルヴァ〜トのヴォ〜カルやバックのコ〜ラス隊がレロレロなのもご愛嬌。しかし残念ながら元テ〜プに難があったのか曲の後半からテ〜プが盛大にヨレ始め、挙句の果てはもうちょっとで終了、ってトコでいきなりブチ切れてしまいます。この音質は CD-R ブ〜トの 「Atomhenge 76」 でも同様で、ブチ切れる所もほぼ同じですのでどうやら出所は同じテ〜プみたいですね。そしてアルバムもこの曲で終了です。



2 枚組とはいえかなり収録時間が短く、DISC 1 が 36'42" 、DISC 2 が 48'03" と、ト〜タルたった 84'45" しかありません。まぁ一応一枚には収まり切らない時間なんですが。実は最近こちらのライブテ〜プ曲目リスト (す、すげ〜) を発見したのですが、それによると実際はこの後も 「Magnu」 、「Master Of The Universe」 といった曲を演っていたみたいですね。う〜んなんとかこの曲目通りのテ〜プって手配できなかったんでしょうか。収録時間が盛大に余っているだけに残念です。そりゃそうとこのリスト、いろんなライブ盤 (ブ〜ト含) の元ネタが推測できて結構興味深いですね。っつうかこの分だと今後まだまだライブ盤 (ブ〜ト含) が無尽蔵に出てきそうでちょっとコワいんですが・・・ 。

これは HAWKWIND DAZE 管理人 様 がご自身のサイトで触れておられたコトなんですが、内容がダブっている 「Thrilling Hawkwind Adventures」 と本アルバムとではテ〜プのスピ〜ドが違っており、こちらの方がテンポも、そして当然ですがピッチも下がっていますね。いわゆる 「半音下げチュ〜ニング」 状態になっています。どちらのテ〜プスピ〜ドが正しいのか考察するためにこのライブ前後のアルバムを聴いてみたところ、「Warrior On The Edge Of Time」 が半音下げ、「Astounding Sounds Amazing Music」 がレギュラ〜チュ〜ニング、「Quark; Strangeness And Charm」 もレギュラ〜チュ〜ニングでした。どうもレミ〜様のクビ&ルドルフ加入の時点でホ〜クスがレギュラ〜チュ〜ニング化された様で、というコトはこのライブでもレギュラ〜チュ〜ニングの線が濃く、つまり本アルバムは本来よりテ〜プスピ〜ドが遅くなっている疑いが出て来ますね。とはいえ '75 、'76 年頃のライブテ〜プ音源とか聴くと半音下げチュ〜ニングっぽいのがあったりしますし、でもそういったテ〜プ音源ってドコでスピ〜ドが狂ってるか解らないので確かな証拠にはなりませんし・・・ハッキリ言ってアタマ痛いんですが・・・まぁ、いいんじゃないですか? どっちでも (おい) 。触れなきゃよかったな、うん、忘れて下さい、この件については (手遅れだって) 。

インナ〜シ〜トは 16 ペ〜ジのブックレット。いきがかり上 (?) 「Thrilling Hawkwind Adventures」 よりもゴ〜カになっていますね。とはいえ内容はやはり 「Thrilling Hawkwind Adventures」 同様全て当時のツア〜パンフからの抜粋だそうですが。ジャケ写は 「Tales From Atomhenge」でも使用された有名なもので、元々は 「Quark; Strangeness And Charm」 のドイツ盤の付録だったカラ〜スライドですね。本アルバムのタイトルにもなった "Atomhenge" と呼ばれる巨大なステ〜ジセットの様子が伺えます。ブックレット (というかツア〜パンフ) にはその "Atomhenge" のラフスケッチや設計者の写真なんかも掲載されています。ところでブックレットにはこのセットの建設現場の写真も掲載されているのですが、その中でど〜見ても日本人らしき兄ちゃんが日本手拭 (?) をアタマに巻いて電ドル作業してます。うう、ウラヤマシイ・・・というか、アンタ、誰?

この日のライブを収録したアルバムとしては収録曲数が最多というコトで、既に 「Thrilling Hawkwind Adventures」 を (あるいは CD-R ブ〜トの 「Atomhenge 76」 も) お持ちの方でも購入する価値は充分あるのではないでしょうか。というか今となっては 「Thrilling Hawkwind Adventures」 のリリ〜ス理由自体がナゾですね。リリ〜ス元のGRIFFIN のサイトを見に行ってもな〜んの情報も無いですし (っつうか更新しろよな、アンタら) 。そういえばコレも最初 GRIFFIN からリリ〜スされた 「In Your Area」 も今年になって Voiceprint からナゼか早々と再発されましたし、ひょっとしてホ〜クスのリリ〜スから GRIFFIN は撤退、今後は Voiceprint に一本化されるんでしょうか・・・あ、ハナシが逸れた。ええと、とにかくファンなら迷わず買い! のアルバムですね。ただし相変わらず国内への入荷状況はあまりおよろしくない様ですので、運良く見かけたら速攻 GET をおススメします。まぁコレはホ〜クスの場合このアルバムに限ったコトではありませんが・・・ 。

言い忘れましたが例の 「シリ〜ズ10 枚買ってフリ〜 CD を貰おう応募用紙&応募券」 (もうちょっとマシな言い方無いんかい) も当然付いています。シリ〜ス中今までリリ〜スされたのは 「Glastonbury 1990」「Complete '79」「Choose Your Masques - Live '82」「Family Tree」 、そして本アルバムの計 5 枚 (いや、先程述べた 「In Your Area」 の再発盤や 「Glastonbury 1990」 のインデックス正確バ〜ジョン」 まで買ってしまうような大バカ・・・実はワタシのコトですが・・・ならば 7 枚か) ですね。既に海外では出まわっているらしい WEIRD さえ入荷すれば近い内一気に 10 枚イって念願のフリ〜 CD を GET できそうなんですが・・・企画倒れになってねぇだろうな、おい。頼むよ Voiceprint 。あと応募用紙には "Nottingham 90" なるライブ盤 (?) もアナウンスされているんですが、コレってライブヴィデオの "Live Legend" と同じ音源なのでは・・・? なんかありそ〜でコワいなぁ、このヴィデオもオ〜ディオ部分のみを落とした CD-R ブ〜トが出回ってるし・・・ 。まぁ買いますケドね、それでも。


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