Compact Disc
CHERRY RED - CDBRED901 (2023)
前作『ザ・フューチャー・ネヴァー・ウエイツ』(2022)制作時に、たくさんの曲をレコーディングし1枚のアルバムに収まり切れず、すぐにもう1枚のアルバムをリリースするとブロックが話していた件が実現したもの。全体にシックで大人しいトーンでまとめられ、陽の『ザ・フューチャー・ネヴァー・ウエイツ』に対して隠のイメージを感じますが、よく聴くとホークスらしい明るい曲もあり、じっくり味わえるアルバム。新作にも関わらず国内盤はリリースされませんでした。
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二人の新メンバーの加入で活気さが増し、スタジオでの練習や曲作りが進み追加の形でリリースされたアルバム。往年のツアー三昧の生活は時代背景で実現したと思いますが、昨今はそれでもツアーは年に2〜3回やってますし、新作リリースは最低年1回はするというブロックさんの枯れることない活躍は実に頼もしいですね。
Our Lives Can't Last Forever オープニングとしては珍しいマイナーバラードから。ブロック作でリードボーカルも本人。タイトル通りの諸行無常系。エレピとコーラス系パッド音に包まれたサウンド。
The Starship テンポアップし、スターシップによる快適な宇宙旅行をイメージする曲。シンセのアルペジオと電子音の飛ぶ中、ギターソロ、シンセソロが交互に続くラグジュアリーな曲。
What Are We Going To Do While We're Here 雄大なストリングスシンセ、リピートする電子音。ゆったりしたベースソロ。リズムと共に今回ゲスト参加したマイケル・ソスナのサックス。テンポアップしホークスらしいストイックな演奏、ブロックのリードボーカル。曲がスローテンポに反転し、ソスナのサックスがジャジーに奏でられ終了。
The Tracker ホークスらしさ満点の明るいアップテンポな歌曲。時空を超えた異世界人への想いが歌われます。今作のテーマであるTime and Spaceがブロックによって繰り返し歌われます。最後落ち着いてブロックの語り。
Eternal Light 前曲に繋がり神聖なコーラスパッド音の小曲。ここまで全てブロック作。
Till I Found You 同じくそのまま繋がりマーティンのリードボーカルによるバラード。作曲はマーティンとブロック。間奏のシンセソロの後、テンポアップしギターソロ。ピアノの伴奏も入り盛り上がっていきます。マーティンとブロックのコーラスがいい感じです。いい曲ですね〜。シンセソロが入ってさらに盛り上がってくるのですが、フェードアウト。
Underwater City アコギのアルペジオ、シンセパッド音のイントロ、深く暗い水の中のイメージ。メロトロン風ストリングスが冷ややかさを演出。マーティン作。
The Night Sky 不安なパッド音を挟んで、ストリングスのややマイナー調の進行から転調したところでマーチ風リズム。ブリッジ的な小曲。
Traveller of Time & Space 溌剌としたリズムにギターのロングトーンで思いっきりメジャーに転調。イコライジングかけられたブロックのリードボーカル。私は時空の旅人と歌うブロック。いや〜これぞホークスですね。中盤のアコギ、アコピの演奏からシンセベースの反復音と弦楽器の反復パートに移行、エレピのジャジーなアドリブと続きます。
Re-generate ノイズと各種の金属音に深いエコーがかけられ、瞑想的なパートの後、ミドルテンポのリズムが入り、エレピの伴奏、電子音が飛び交う。最近のホークスにあるマイルドテイストのサイケ曲。
The Black Sea 前曲に繋がりノイズとパッド音のブリッジ小曲。
Frozen in Time シンバルのみの伴奏にマーティンのリードボーカル。アコギ、ベースのリズムが入り、一気にバラード風に表情が変わります。サビの伴奏にメロトロンストリングスが高鳴ります。マーティン作。
Stargazers ラストは重厚なノイズとパッド音による不安な始まりから、スローテンポなジャムに突入。メンバー全員の共作。エレピ、エレキのアドリブ。突如重い轟音で終了。
ブックレットにはスターシップで天国のような惑星に不時着した旅行者たちのショートストーリーが記載され、曲のイメージと合わせて鑑賞できるようになっています。オープニングが地味なので、多少とっつきにくい感じはありますが、全体にバランスの取れた今のバンドの良さが発揮された作品かと思います。
バンドは4月のツアーの後、7〜8月は国内5つのフェスに出演しました。
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2024/11/16 update