Analog Disc
CHARISMA CDS 4011 (1978)
SIDE A
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SIDE B
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ニック初のソロ・プロジェクトとして制作されたこのアルバムは、そのタイトルにあるように、エジプトの古書にインスパイアされました。ブックレットが付属、コンセプト、各曲の解説が書かれています。76年ホークウインドを脱退し、バカンスで訪れたエジプト。クリスマス・イヴにギザのピラミッドの上でフルートを吹いたところ、雨が降りだしたという神秘的な体験が書かれています。
その後ギザのピラミッド内部を3時間貸し切って、フルートの即興演奏をレコーディング。ターナーはフルート演奏以外に呪文のような言葉を呟いたり、石棺を叩くなどのサウンドも録音したそうです。この素材から抜粋したトラックを元に、スタジオで各種オーバーダブをしたものや、新たに作曲して構築したものなどで構成されています。ニックはフルートとボーカルをメインにサックスもプレイ。プロデュースはスティーヴ.ヒレッジが担当し、GONG のメンバーが全面サポート。ヒレッジはギター、ベースはマイク・ヒュレット、ボーカルとシンセでミケット・ジラウディ、ティム・ブレイクもシンセで参加。パーカッションでモーリス・パート、アラン・パウエルも参加。
全体的に深いエコーのかかったフルートのインプロをベースに、呪文のようなボーカルが唱えられ、バックミュージシャンがゴング風サイケな音空間を演出しています。
ピラミッド内でレコーディングされた素材はかなりの量あるため、のちのCDなどにボーナス収録されることになりました。
アルバムリリース後、ゴング周辺アーティスト達とフェスなどに出演、アシッドロックなジャム中心となり、ICUを結成しパンクよりの音に接近していきますが、この作品で聴かれる音は悠久の古代エジプトにロマンを馳せる神秘的で静謐な感覚で満たされており、ターナーの作品の中では特異な作風であると言えます。
・このアルバムの国内LP盤のレビュー
・このアルバムのCD初回盤のレビュー
・このアルバムの2007年リマスターCD盤のレビュー
・このアルバムの2007年リマスターCD国内盤のレビュー
ニック・ターナー・ディスコグラフィ
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2020/02/11 update