Compact Disc
PURPLE PYRAMID - CLP 0666 (2013)
2000年代はバンドSPACE RITUALの活動がメインだったためかソロアルバムは長年リリースされませんでした。2013年、久しぶりのソロアルバムがリリースされました。レコード会社はかつて所属していたクレオパトラに復帰、そのレーベル、パープル・ピラミッドから。バックを固めるミュージシャンはクレオパトラ関連のアーティスト。ドイツのディ・クルップスのユルゲン・エングラー(Key/G)。元UKサブス、現へーダースレーベンのニッキー・ギャラット(G)、ジェイソン・ウィラー(Dr)など。ゲストで旧友サイモン・ハウス(Vl)、スティーヴ・ヒレッジ(G)が参加。プロデュースはエングラーが担当。
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SPACE AGENT BONUS DISC
INSTRUMENTAL MIXES
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Fallen Angel はタイトルにあるようにスペースシャトル「チャレンジャー」の事故を扱ったもの。電子音と発射時の管制塔の交信を模したSEから開始。ギターのハードエッジなカッティングとバックに流れるメロトロン、ホークス系のスペースロック。続くJoker's Songも同傾向の曲で、ターナーはボーカルとサックスをプレイ。ハードロックではあるけど、包み込むメロトロンや演奏全体が一体となった音響で印象はマイルドな感触。アルバム全体にサックスやバイオリンが際立つようにミックスされており、エングラーの手腕が光るプロデュース。
Time Cryptではハウス特有のワウのかかったバイオリンがボーカルラインと絡みつくように演奏されます。
スローバラードのGalaxy Rise、Eternityではアコギ、メロトロンをバックにボーカルとフルートの演奏。いずれも心地良く流れるような演奏。
Coming Of The Maya 呪術的なリズムとターナーの朗読風ボイス、ハウスのオリエンタルスケールのバイオリン。
ボーカルは、さすがに70歳を超えているためか声量も音域もダウンしていますので、アレンジもそれに合わせたものになっています。
Anti-Matterのターナーのサックス、ヒレッジのギター、ハウスのバイオリンが混然一体となる場面など聞きどころもありますが、似たような曲が多くやや単調な印象もあります。
ボックスセットに付属のボーナスディスクは、ポストプロダクション前のラフミックス、SEやノイズ、バイオリンなどをかぶせる前の演奏の骨格部分を聴く事ができます。後半は本編からボーカルを除いたインストゥルメンタル。
ニック・ターナー・ディスコグラフィ
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2020/03/29 update