Compact Disc
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EMI – HAWKS 8 (2011)
1996年のリバティ〜UA期アルバムの正規CD化以降、EMIではディレクター、ナイジェル・リーヴによる未発表音源のリリースが続いていましたが、その最終となる驚きの未発表テイクを加えたコンピレーション。なおここでレアテイクは打ち止めかと思われたのですが、その後ATOMHENGEレーベルからも未発表音源が出ることになりました。
3CD、ジュエルケース、ブックレット。ケース内には発掘されたデモテープの画像が掲載されています。
Disc One
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Disc Two
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Disc Three
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ホークウインドの初期(リバティ〜ユナイテッド・アーティスツ時期)のバックカタログ(96年のデジパックCD化)や当時のライブテイク発掘についてはEMIのディレクター、ナイジェル・リーヴ氏が編纂をしてきました。中には『THE 1999 PARTY』のように未発ライブや蔵出しのデモテイクなど貴重な音源もありました。このコンピレーションはそのEMIが管理していたデビュー時期から74年の『HALL OF MOUNTAIN GRILL』までの音源を3枚組にまとめたもの。このコンピの制作にあたり、リーヴが改めて保管庫のテープを色々とチェックしたところ、いくつかの未発表音源!を発見し、このコンピレーションに含めました。
驚くべきことにリバティ契約前のHAWKWIND ZOO時代のテイクも発見され、それらはデジタルダウンロードでの販売とされました(Sunshine Special E.P.)。いずれも保管状態は良かったそうです。
Disc1 Hurry OnとMirror Ofはデビューシングルのモノラルバージョンを収録。
You Know You're Ony Dreaming(1970)は初出トラックです。70年の録音とされており、1stアルバム収録後に録音されたデモテイクらしいです。同題曲は『IN SEARCH OF SPACE』に収録されますが、全く異なったアレンジで、かき鳴らされるギターをバックにシャウトするブロックのボーカル。タイトルのイメージとは裏腹な元気な曲。
The Reason IsとBe Yourselfは共にデビューアルバム収録曲ですが、ここでは別ミックス・バージョンです。Seeing It Asはアルバム収録テイクと同じですが、この初期テイクにオーバーダブをしてアルバムに収録したとの記述があります。違いはわかりません。
続くHogFarm、これも初出。時期的にIN SEARCH OF SPACE収録時期で71年5月の録音。4拍子でギターの引きずるようなリフをベースにワウのかかったサックスやギターがアドリブを続けます。
Kiss Of The Velvet WhipはSweet Mistress Of Painの別タイトル。同じ曲ですが、2つのタイトル名が使われています。HAWKWIND ZOOに収録されているテイクは69年収録のテイクで、今回の71年バージョンは初出。ベースがアンダーソンとなっており彼独特のドライブ感が出ています。
Master Of The Universeは (Original Vocal Take)と記載されていますが、IN SEARCH収録と同じトラックです。
Disc2 Silver Machineは最初のシングルのミックス。コンピ収録やシングル2枚目以降は別ミックスになります。Seven By Sevenもシングルと同じ演奏テイクですが、カルバートの朗読部分が別テイクになっています。
Take What You Canは『WEIRD 106』に初出され、CDではWEIRD TAPES 6に収録されただけで、他には収録されてされなかった佳曲。メジャーコードの明るい曲ですがサイケデリックなムードがいいですね。前述のトラックとはミックス違い。以降は『DOREMI』『SPACE RITUAL』からの収録。
Disc3 EjectionはCAPTAIN LOCKHEED AND THS STARFIGHTERS名義でリリースされたシングルのバージョン。カルバートのソロプロジェクトですが、このマスタテープのアーティスト欄にはHawkwindと記載されていたそうです。
Brainboxのフルレンスバージョンは初出。当時はシングルUrban GuerrillaのSide2に収録されましたが、7インチシングルなので全編収録できなかったようで、このフルバージョンは実に7分もあります。後半はレミーのベースがブリブリ演奏されフェードアウトでなく終止形で終わります。曲の印象を新たにするような演奏で嬉しいですね。
そしてIt's So Easyも初出、驚きのスタジオテイクです。イントロはブロックのエレキがシンセっぽい音色からスタート。73年5月の録音、よってハウス加入前のテイクで、従来のライブ版で聴けたメロトロンなど鍵盤系は入っていません。ギターのオーバーダブで厚い音にしています。
You'd Better Believe Itも初出スタジオバージョン、73年11月の録音。ライブテイクと異なって各楽器の演奏がクリアに聞き取れます。
Psychedelic Warlordsはシングルバージョン。そしてあのWind Of Changeの別テイク初出。74年5月の初期のアレンジのテイク。教会のオルガンを思わせる厳かなイントロにブロックのギターソロがかぶってきます。アルバム版ではバイオリンが主役ですが、ライブではハウスがバックにまわって、ブロックのギターが中心の演奏をしていましたが、最初はそのフォーメションだったことが伺われます。このテイクにはRock Around The Clockというタイトルが付いていたそうです。
Paradoxも尺の短いシングル・バージョンを収録。
ライナーノーツは英ジャーナリストのマルコム・ドーム、年表にてバンドの当時のヒストリーを紹介。
本作がリリースされた時は、完全に聞いたことがない曲も含まれ、まだ未発掘の蔵出しがあったのかと驚きました。当時のインタビューでリーヴは、さすがにもう出尽くしたと言ってましたが、その後もATOMHENGEから未発表音源がまだまだ出ることになりました。
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2024/12/01 update