Analog Disc
BRONZE - BRON 527 (1980)
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先にリリースされたシングルSHOT DOWN IN THE NIGHTに1ヶ月遅れてライブ・アルバムがリリース。79年の怒涛の復活ツアーの興奮を伝える力強い演奏が展開されています。ヘビーメタルに通じるテイストを加えたことで初期の名曲はパワフルさを増し、リフレッシュされています。
参加プレイヤーはデイヴ・ブロック(G/Vo/Key)、サイモン・キング(Dr)、ハーヴィー・ベインブリッジ(B/Vo)、ティム・ブレイク(Key)、ヒュー・ロイド・ラントン(G)の5人。
当時イギリスでは79年から80年代前半にかけてNWOBHMが勃興、ホークスの復活と80年代初頭の躍進はそのムーブメントとシンクロしています。ラントンの持ち込んだギター中心のHR/HM感を軸にリードボーカルはブロックのみとしたスタイルで、これはバンド始まって以来のこと。ブレイクのシンセ中心のバッキングもホークスの伝統にマッチ。各メンバーの役割がはっきりした明確なバンドスタイルにより各楽曲の魅力を増幅するケミストリーとなっています。このツアーではブレイクのプロジェクトCRYSTAL MACHINEでレーザー光線担当だったパトリス・ワレンナーを同行、ホークスのステージをより華やかに飾ったそうです。
79年の復活ツアーは11月から12月にかけてのべ25日間、連日実施され、このアルバムは12月8日セント・オールバンズのシティホールで収録されたテイク。この日のセットリストは以下です。LPレコード1枚ですので、この日の演目から抜粋して構成されました。
録音状態が良いので、2枚組以上でもっと収録して欲しかったですね。その後、99年にVOICEPRINTからCOMPLEAT '79というタイトルでステージ丸ごと収めたアルバムがリリースされましたが、音質がイマイチ、曲の途中でツギハギがあったりと、この日のテイクとは異なる質の低いものでした。さらに後年、アトムヘンジのリマスター盤がリリースされましたが、追加トラックはありませんでした。アルバム収録トラック以外のテイクは残っていないのかもしれません。
Shot Down In The Night 前任キーボードのスティーヴ・スインデルスが在籍時に書いた曲。ホークスにはポップ過ぎる感のある楽曲ですがオープニングにはピッタリの快速ナンバー。歓声の中、電子音の高鳴りに続きスティックカウントから元気よくスタート。ラントンのギターが右、ブロックのギターは左に定位。ブレイクのシンセや派手な電子音、間奏で堰を切ったように弾きまくられるラントンのギターと新生ホークスの魅力が凝縮されてます。
Motorway CIty ブロック作。シンセシークエンスにかぶるストリングスシンセ、ブロックのフェイズのかかったストローク、ラントンのリードギターという美しいイントロから、ポジティブなAメロに入る印象的な曲。ハイウェイを疾走するような流麗な間奏、ブレイクとラントンのソロの絡みがバンドの新しい魅力、エンディングのストリングスが美しい。
Spirit Of The Age ブロック、カルバート共作の名曲。原曲の滑らかさにリズムを強調したパワフルな演奏。キングはこのアルバムを最後に脱退しますが、この曲やB面のオールドナンバーでは、やっぱり彼のドラミングが一番フィットすると思うのですが。
Brainstorm B面最初はターナー作、ホークスを代表する突っ走りナンバー。ラントン、弾きまくり。ここではブレイクがソロを取らず、中間部のAメロに戻る直前のトランス状態ではギター2本が左右にパンされます。カチッとまとまっていますが、十分にホークスらしい演奏。
Lighthouse 宇宙の灯台をイメージしたブレイク作、NEW JERUSALEM収録曲。シンセベースとストリングスに乗せてブレイクが歌います。ボーカルの後、リズム隊が演奏に加わり、パワフルにロックっぽくアレンジされています。
Master Of The Universe ブロック、ターナー共作の定番曲もBrainstorm同様不動の邁進、かなり短めの演奏でやや物足りません。
Silver Machine そのまま観客の歓声を収録し、アンコールのシルバー・マシン。イントロ長めでラントンのソロを入れてます。ブロックが1コーラス歌ったところで、爆発音が入り終了します。ステージでは、アンコールはSIlver MachineからメドレーでLevitationに繋がっていましたので、LPの収録時間的には厳しいという点と、過去の栄光は葬った新たなホークスであるというメッセージです。シルバー・マシーンの演奏を封印ということではないことは、その後のセトリでも明らかです。
このツアーの評判、折からのNWOBHMによる若いファン層の獲得などのフォローもあり、絶頂期に迫る全英15位と久々の大ヒットとなりホークスの完全復活を知らしめました。
このツアーのプログラムはこちら。
・日本盤LP「ホークウインド・ライブ」(1980)のレビュー
・日本盤CD「宇宙遊泳+ライヴ'79」(1989)のレビュー
・アトムヘンジ版リマスターCD LIVE SEVENTY NINE(2009)のレビュー
・アトムヘンジ版リマスターCDの日本盤「ホークウインド ・ライヴ(ライヴ'79)」(2009)のレビュー
・EXILESさんのCDのレビュー
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2019/10/22 update