Compact Disc
EMI - 0999 503235 2 4 (2007)
DISC ONE MAN
|
DISC TWO BRINSLEY SCHWARZ
|
DISC THREE HAWKWIND
ANDY DUNKLEY
|
72年7月に2枚組LPとしてリリースされたGREASY TRUCKERS PARTYに収録されたテイクは、当日ホークスが演奏した曲の一部でした。全曲レコーディングされたらしいので、それは長らく幻の音源とされていました。
その後、オリジナルの8トラック(!)レコーディングテープが発見され、2007年マスタリング、ついにフル収録CD3枚組セットが発売されました。先のアルバムに収録されていたアーティストのうち、マン、ブリンズレイ・シュウォーツ、ホークウインド の3バンドそれぞれの演奏をフルに収録。
待望のホークストラックはCD1枚分の68分もの演奏が収録!LP発売から35年目にしての快挙でした。SPACE RITUALの10ヶ月前の収録であり、レミーに加えてサイモン・キングが加入、黄金期ホークスのリズム隊が完成し、
DOREMI FASOL LATIDOに向けて加速していくバンドの状況が聴けるアルバムです。ブックレットにはこのギグの様子が記載されており、その時の状況が明らかに。
ラウンドハウスに集まった観客は2000人規模で、時間を追うごとに増えていったそうです。チャリティイベントで入場料は50ペンスと低価格。真冬のロンドンは相当冷え込みますが、会場はすごい熱気だったろうと思います。
当時ホークスのマネージャーだったダグ・スミスの回想によると、停電の時間帯は一度観客は外に出されて、再入場の際はさらに観客が増え、すし詰め状態だったそうです。
そんな中、トリに登場したホークス、ほとんどの観客はホークス目当てだったそうです。人気急上昇中でアンダーグラウンドを代表するバンドとなっていたので、この時点で出演バンド中最も注目されていたはず。
このCDではステージ上でのセッティングの様子から収録されています。Announcementでは停電のせいで、機材類の復調に少々時間がかかっているとの説明、そしてメンバーが音出しチェックをしながら開始を待ち、おもむろにThis Is Your Captain Speaking
が始まり音が盛り上がり、You Shouldn't Do Thatが始まります。ROADHAWKSなどでこの曲のライブテイクは聴くことができましたが、間奏のベースソロがまだあまりなく、ギターとサックスのソロが展開、後半はSeeing It As You Really Areの
アレンジにはならず、そのままの演奏で終了。続くカルバートの朗読曲The AwakeningもSPACE RITUALに収録されているバージョンは2分弱でしたが、こちらではボイスの変調が強烈にかかり、その後ギターを中心にした演奏が続き8分近い長尺曲になっています。
静かな演奏でIN SEARCH OF SPACEのYou Know You're Only Dreamingの半音階テーマが演奏され、その後ギター、パーカッション、電子音などによるインプロが続きます。
そして、先のLPに収録されていたMaster Of The Universe。ここでミックスがLP版とは異なることが判明。LPではギターが右、電子音が左に定位してましたが、ギターがセンターになっています。電子音のミックスは妙に大きな音量だったLPに対して
自然な感じになっています。続いて1stアルバムのParanoiaがプレイされます。DOREMIリリース以降はレパートリーから消えますので、貴重なテイク。
Earth Callingはここで登場。電子音などのインプロの上でearth callingと呟かれる様子はSAPCE RITUALと同様ですがステージオープニングの演奏ではなく、続くSilver Machineのイントロ的役割。Silver Machineと次のWelcome To The FutureはGLASTONRURY FAYREに収録
されていました。大ヒットシングルの元になったテイクで、シングル制作の際このテイクに各種オーバダブ、ボーカル差し替えを行いイントロや終盤が少しカットされ整えられました。このリードボーカルはカルバートですが、声量が不足気味でがなっている感じで
良くないので、スタジオで再度撮り直したのですが、やはりあまり良くないという判断に。メンバーみんなも試したらしいのですが、結局レミーが一番フィットしたそうです。当然カルバートは不服だったそうですが。曲が終わりノイズが残りWelcomeに、音量が高まり終了。メンバーのサンキューがあり、
コード一発による再開、続くはBorn To Go。これは先のLP版に収録されたテイクですが、エンディングパートは電子音のノイズが続き、ギターのアドリブが入り、それがそのまま次のBrainstormのジャムにつながります。アルバム収録バージョンとは異なり、まだ曲がまとまってなく単調な進行で、
You Shouldn't Do Thatに近い感じです。終盤は定番のSeeing It As You Really Areになって終了。ホークスがトリなので、最後にダンクリーの終了を告げるアナウンスが収録されています。
LP版の曲間にあった観客やDJとのやり取りは収録されていませんでしたが、SPACE RITUALより10ヶ月前のホークスの姿が堪能できるアルバムとして重要な作品。なおこのホークス演奏部分は2015年にPARLOPHONEよりリリースされたボックスセット
THIS IS YOUR CAPTAIN SPEAKING YOUR CAPTAIN IS DEADにも収録されました。
ホークスはUSツアー後、7月にデボンでのギグを実施。その後12月にウインターツアーを実施、その最終日の模様は翌年CDとDVDに収録されることになります。また昨年実施したプライベートギグを収録したDVD SPACE MELTが配布されました。
・GREASY TRUCKERS PARTYオリジナルLPのレビュー
・日本盤LP「ロンドンの熱い嵐 グリージィー・トラッカーズ・パーティー」のレビュー
オリジナルUK盤&日本盤ディスコグラフィ Compact Disc 2006-2007に戻る
2019/06/02 update