Compact Disc/Blu-ray
Top > discography2 > 2023-2024 > DOREMI FASOL LATIDO, 3CD/2BLU-RAY DELUXE BOX SET EDITION
ATOMHENGE - QATOMCD51056 (2024)
厚手のペーパーボックス。
同梱物。2枚のブルーレイ・ディスク、ポスター、ディスクホルダー、ブックレット。ブックレットは白黒反転の78年シングルのイメージ。
ボックス裏側。
ディスクホルダーにはCD3枚。
ブックレットにはロブ・ゴッドウィン氏の詳細なライナーや貴重な写真。
ポスターはオリジナル盤の初期ロットに同梱されていたSTAR RATSポスターを再現。
DISC ONE THE ORIGINAL ALBUM REMASTERED
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DISC TWO THE NEW STEREO MIXES Mixed by Stephen W Tayler
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DISC THREE GREASY TRUCKERS PARTY RECORDED LIVE AT THE ROUNDHOUSE CHALK FARM, LONDON 13th FEBRUARY 1972 THE NEW STEREO MIX Mixed by Stephen W Tayler
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DISC FOUR BLU-RAY DOREMI FASOL LATIDO 96KHZ / 24-BIT 5.1 SURROUND SOUND & STEREO MIXES Mixed by Stephen W Tayler
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DISC FIVE BLU-RAY GREASY TRUCKERS PARTY RECORDED LIVE AT THE ROUNDHOUSE CHALK FARM, LONDON 13th FEBRUARY 1972 96KHZ / 24-BIT 5.1 SURROUND SOUND & STEREO MIXES Mixed by Stephen W Tayler
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アトムヘンジレーベルによるUA期アーカイヴ・デラックスシリーズの第4弾。これまでの『絶体絶命』『宇宙の祭典』『宇宙の探究』同様、オリジナルバージョンのリマスター、マルチトラックからの新規ミックス(2ch&5.1ch)を基本に未発表テイクを追加したものです。さらにこのセットではアルバム・レコーディングに先駆ける72年2月の『グリージィー・トラッカーズ・パーティ』のライブテイクを加えたものとなっています。このライブ盤、ドレミ本編盤の参加メンバーは同じで、デイヴ・ブロック(G/Vo)、ニック・ターナー(Sax/Flt/Vo)、ディク・ミク(AG)、デル・デットマー(Key/Syn)、レミー(B/Vo)、サイモン・キング(Dr)の6人。ここから75年の「絶体絶命」までの体制がいわゆる黄金期ラインナップとされています。つまりレミーが在籍していた時期ということですね。その黄金期を象徴する「宇宙の祭典」ツアーと同時期にリリースされたアルバム。銀に輝く盾のアルバムカバーが印象的です。前作「宇宙の探究」から、バーニー・バブルズがデザインを担当、この黄金期のアルバムカバーいずれも素晴らしいのはバブルズの功績です。このセットのカバーはグレー色ですが、同時リリースのアナログ盤は輝くシルバーのジャケットが再現されています。
本セットのリミックスはオリジナルに対してかなり音質が向上しているので、改めてこの名作を楽しむことができると思います。
CD1 オリジナル・アルバムのリマスター。
ボーナストラックは73年にドイツでのみシングルカットされたシングル『Lord Of Light/Born To Go」。
同じく73年にリリースされたシングル「Urban Guerrilla/Brainbox Pollution」の各トラックのリマスターです。
Lord Of Lightは『ドレミファソラシド』本編のトラックを編集してシングルサイズにショート化しています。
Born To Goは『グリージィー・トラッカーズ・パーティー』のトラックを同様にショート編集したものです。
CD2『ドレミファソラシド』本編のステファン・W・テイラーによる新規リミックス。
Brainstorm オリジナルはいきなりギター&ベースのリフから開始しますが、シンセの上昇音がまず聞こえてからリフが入ってきます。元はそういうアレンジだったところ、オリジナルはオープニングの強烈さを出すための演出だったようですね。今回のリミックスは各楽器の粒立ちがかなりくっきりしていて、細部に渡って非常に聴きやすいミックスです。これは熱心なファンには一聴をお勧めします。中間部のグチャドロインプロもくっきりして、かつ迫力も持ち合わせています。今まで埋もれていた電子音なども聞こえます。
Time We Left This World Today イントロのリフが10秒程長いです。The Watcherはオリジナルではレミーのボーカルが歪み気味だった(それはそれで味があります)ものが修正されています。そして終盤20秒程ギターの掻き鳴らしやシンセ音が余韻を持って収録されています。この方がアルバム最後の印象が良いです。
という事で、単にリミックスだけではなく、オリジナルではカットされていた部分が聴けたりとなかなか楽しめる内容でした。
以下ボーナストラックについて。
72〜73年にレコーディングされたという「Take What You Can」。この曲の初出は『WEIRD 106 1970-73』(1982)に「Make What You Can」というタイトルで収録。こんな曲があったのか〜!という驚きでした。その後『PARALLEL UNIVERSE』(2011)に「Take What You Can」というタイトルに変えられミックス違いで再収録。今回テイラーミックスで登場となりました。明るいサイケポップという曲で9分に渡る曲。
Seven by Seven (October 1972 remake) 初出はシングル「シルバー・マシン」のB面。このテイクはその後スタジオで新たに録られたもの。前述の『PARALLEL UNIVERSE』には、(Original Single Alternate Vocal Mix)というトラックが入っていましたが、そちらはシングル版のボーカル違いで、今回のものは演奏含めて別物の未発表テイクです。若干スローペース、中間のカルバートの朗読もありません。全体にレイドバックされた滑らかな印象です。
Brainbox Pollution (Take 3) 元々はシングル「Urban Guerrilla」のB面曲。このシングル曲は元々7分くらいあるものをショート版に編集したものですが、今回の(Take 3)それとは別の未発テイク。リハーサルテイクだったようだとゴッドウィン氏は解説しています。イントロはシンセ音から始まり前奏も若干異なります。これもテンポが若干スローでややまったりしています。
Urban Guerrillaはシングルのリミックス。本編同様、分離感、各トラックが際立ち、ソリッドな仕上がり。
Brainbox Polution はシングル用にショート編集されたものではなく、フルレンス・バージョンです。『PARALLEL UNIVERSE』で既発ですが、今回テイラーによる新ミックス。レミーのベースの強調感は『PARALLEL UNIVERSE』の方が強いですね。
CD3『グリージィートラッカーズ・パーティ』のステファン・W・テイラーによる新規リミックス。72年2月、加入したばかりのレミー(B/Vo)、サイモン・キング(Dr)の新リズム隊で出演したチャリティコンサートのライブ録音です。元々はアルバム『GREASY TRUCKERS PARTY』(1972)に2曲(Mastes Of The Universe/Born To Go)収録、その他2曲(Silver Machine/Welcome)がアルバム『REVALATION A MUSICAL ANTHOLOGY OF GLASTONBURY FAYRE』(1972)に収録されました。
特にここで収録された「シルバー・マシン」はその後手を加え、リード・ボーカルをカルバートからレミーに差し替えてシングルとしてリリースされ大ヒットしましたね。
2007年にこのコンサートに参加した3バンド(マン・ブリンズレイ・シュウォーツ、ホークウインド)それぞれの演奏全曲を収めたセット『GREASY TRUCKERS PARTY』(2007)がリリースされ、ホークスのステージ全容が聴けるようになりました。
今作のCD3は同様に全曲を収録しています。テイラーのリミックスも非常に良く、ボーカル、各楽器がクリアに聴き取れます。シルバー・マシン」のカルバート・ボーカルやコーラスでのハモリなどかなり鮮明で、これまで思っていたよりもかなりきちんと(笑)と演奏されていたことが分かりました。ギターは右寄り、ベースは左寄りに配置するなどで、この2人の絡みが明瞭になっています。
Brainstorm Jamは作曲初期段階のもので、タイトル通り中間部ではドロドロインプロが繰り広げられます。
以下これまでリリースされてきた音源との差異です。
2007年版『GREASY TRUCKERS PARTY』との比較:冒頭のThis is Your Captain Speakingの前に4分ほど収録されていたアナウンスや機材調整は省かれています。
同作のエンド・トラックのアンディ・ダンクリーによるアナウンスも入っていません。
1972年版『GREASY TRUCKERS PARTY』との比較:曲間にあった、ステージと観客とのやりとりは含まれていません。
BD1 CD2のステファン・W・テイラーによるサラウンド5.1chとハイレゾ2chを収録したブルーレイ。サラウンドはバンドのメインをフロント側に置いて、リアは電子音中心に展開しています。センタースピーカーはベースやキックを入れています。合いの手のボーカルやサックスなども適宜リアに当てています。ボーナス動画は「Urban Guerrilla」のプロモーション動画。これは既発のもの。動くステイシアのハーフヌードが貴重な映像です。
BD2 CD3のサラウンド5.1chとハイレゾ2chを収録したブルーレイ。サラウンドは基本バンド全体はフロント、リアは残響成分を中心としています。電子音をパンニングするなどの遊び心もあります。
ブルーレイの映像。アルバムカバー、インナースリープ、ポスターなどを使用しています。
・オリジナルLP盤(1972)のレビュー
・当時の国内LP盤(1973)のレビュー
・国内LP再発盤(1982)のレビュー
・国内初CD(1992)のレビュー
・EMIミュージック・ジャパン版(2010)のレビュー
・WOWOWエンタテインメント版(2015)のレビュー
・今作と同時にリリースされた2CD REMASTERED AND EXPANDED EDITION(2024)のレビュー
・上記2CD版の国内盤(2024)のレビュー
・今作と同時にリリースされたアナログLP REMASTERED VINYL EDITION WITH BONUS SINGLE(2024)のレビュー
・EXILESさんのレビュー
・『GREASY TRUCKERS PARTY』オリジナルLP(1972)のレビュー
・『GREASY TRUCKERS PARTY』3CDセット(2007)のレビュー
『REVALATION A MUSICAL ANTHOLOGY OF GLASTONBURY FAYRE』(1972)のレビュー
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2024/12/03 update