Compact Disc
ESOTERIC ANNTENA - EANTCD 1009 (2012)
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2006年にリリースされたTHE BROCK/CALVERT PROJECTから5年後に久しぶりにリリース。THE BROCK/CALVERT PROJECTはカルバートの朗読テープにバックトラックを付けた作品でソロとはちょっと異なるので、その前のソロ作となると2001年のソロMEMOS AND DEMOS以来11年ぶりということになります。
従来のソロ作品はホークス曲のコンセプトに近い作風で、バンド形式でない分、シンセシーケンスにギターをかぶせるなどの宅録っぽい演奏でした。本作は従来の作風から多少変化し、ブロックのホークス的方向性とは異なる側面も現れています。
World Of Ferment ストリングスシンセをバックにブロックのMC。ホークスっぽい出だしですが、すぐさま次ぎのA Lover's Whimへ入り、ブロックのリードボーカル。リズムの入った歌曲でエレキのディストーションコードに引っ張られるミドルテンポの曲。キーボードの音色などマイルドでホークスのスペイシー指向とは違うパーソナルなもの。That Day In Decemberもタイトルに表われているように日常の感傷的な事柄を歌っています。続くHigher Planeはバックに流れるオルガン風シンセがLove In Spaceのようでさらに明るくした印象。ブラスサウンドが明るさをさらに増長。
Lazy DaysはホークウインドのBLOOD OF THE EARTH収録のComfy Chairのロングバージョン。次のWho Do You Think You Are ?は同じくBLOOD OF THE EARTHのオープナーSeahawks。タイトルを変えて再収録した理由は分かりませんが、これらの曲もブロックのソロトラックだったということかと思います。
We Took Wrong StepはIN SEARCH OF SPACEの名曲ですが、本作で再録、SPACEHAWKSにも収録。同じテイクです。
The Chief、サーフロックのような軽快なリズムにマリンバの早弾きソロが印象的ですが、ホークスとは別のベクトル。でも電子音が炸裂してます。リラックスしたムードで始まるIt's Never Too Late、中間部ストイックな進行に変化するところあたりからホークスっぽいムードも。その後の各曲もスローテンポやミドルテンポ中心のゆったりした演奏やシンセ打ち込みなど。The Kissは唯一ギターオリエンテッドのハードな曲ですが4分と短い曲。Menace To Societyはかき鳴らすエレキにハーモニカが絡み、その上でブロックのMCというサイケなムード。全体に小曲が多く、録りためていたトラックを整理して構成したと思われるところは、今までと同じですね。
・2013年リリースのホークスアルバムSPACEHAWKSのレビュー
2018/05/15 update