Analog Disc
RCA ACTIVE - RCALP 6055 (1982)
夏場にレコーディングが行われ、早くも秋にはこの新作がリリース。RCA時代のホークスは、矢継ぎ早にアルバムを発表しました。合わせてFLICKNIFEからもリリースがあったので、80年代の恐怖「月間ホークウインド」がこの頃から始まりました。さて今度の新作は、ニック・ターナーをゲストに迎えての入魂の一発です。同年5月のウォルバーハンプトンや6月のストーンヘンジでターナーがホークスのステージに飛び入り参加したことがきっかけではないでしょうか。この時期はムアコックもステージに参加したこともあります。レギュラーメンバーは前年のSONIC ATTACKと同じくデイヴ・ブロック(Vo/G/Key)、ハーヴィ・ベインブリッジ(B/Vo/Key)、ヒュー・ロイド・ラントン(G/Vo)、マーティン・グリフィン(Dr)。先にリリースされたシングル再録Silver MachineのB面に収録されていたフル・バージョン、WEIRD 107のブロック・ソロにあったタイトル・ナンバーを含み、定番曲Arrival In Utopiaも登場。全体にグリフィンのドラムにパンチを効かせたハリのあるサウンド。ブロックは前作からDr. Technicalという別名を復活(72年のシングルSilver Machineのプロデュースで使用して以来)させていますが、ベインブリッジやラントン作曲の曲も積極的に取り上げています。リリースに合わせて10、11月に行行った UK ツアーも好評でアルバム・チャートでは全英29位でした。このツアーのプログラムはこちら。またレコーディングも行われ、のちにCOLLECTOR SERIES VOL 2: LIVE 1982としてリリースされます。
Side 1
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Side 2
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Choose Your Masques イントロなしにいきなり縦ノリリズムで疾走するタイトルナンバー。ブロックのリードボーカル。ストイックな反復リフに各種の電子音やノイズ、ラントンのギターが散りばめられて突き進みます。ゲートエコーがかかったようなドラムサウンドも時代を反映してますね。ホワイトノイズと共に不意に終了。次曲の語りがオーバーラップ。
Dream Worker 不安を煽るような不協和音のコーラスが流れ、シンセシーケンスが繰り返される幻覚体験のようなイメージ。ベインブリッジの語り。
Arrival In Utopia のちに定番曲になる名曲。重いリフに乗ったAメロのメロディーと流れるBメロの伸びやかなメロディーが印象的な曲。中間部の反復進行は初期ホークスを思い起こされます。
Utopia 2曲目同様、悪夢にうなされるような小曲。ベインブリッジのIf you want to get into it, you've got to get out of itという台詞が繰り返されます。
Silver Machine セルフカバー。先行シングルのフルバージョンを収録。リードボーカルはブロック。リズムが重くなっており、野暮ったい印象があります。ラントンさんも相変わらず。
Void City ブロックさんのソロテイクと思われます。リズムマシーンとピコピコシークエンスによる軽快な小曲。終盤のボコーダーがいいですね。
Solitary Mind Games ラントン作。クールな印象の曲でラントン自身がリードボーカル。
Farenheit 451 ブロック作、レイ・ブラッドベリの「華氏451度」をテーマにホークス真骨頂な曲に仕上げています。コーラスや中間部のリフにシンセとギターがかぶるあたりのアレンジなどかっこいいですね。ラントンのギターはこういう曲にはよく合います。
Waiting for Tomorrow ミドルテンポのラントンらしいややダークな印象の曲。
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2022/05/01 update